ストーリー

安楽死を選んだ女性のラスト・パーティー。唯一の「参加条件」は…

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アーティストのベッツィー・デイヴィスさんを襲った、ALS(筋萎縮性側索硬化症)。

 
発症すると徐々に全身の筋力が低下し、身体を動かすことや他者とのコミュニケーション、最終的には呼吸すらも困難になっていく難病です。

 
ベッツィーさんの体も、少しずつ自由がきかなくなっていき…

ある日、ついに余命宣告を受けた彼女は、自ら安楽死を選択しました。

 
「楽しい時間を過ごしてから、死んでいきたい」

そう願った彼女は、「レディー・トゥー・ダイ・パーティー」と銘打った、二日間にわたるパーティを開催することを決め、友人たちを招待します。

このパーティーは、おそらく今まで参加してきたものと違うものになるでしょう。

持ち物は、我慢強さと何事も楽しめる心、そして寛容さね。

 
参加者に課せられた条件は、ただ一つ。

「決して彼女の前では泣かないこと」でした。

 
当日には、ニューヨーク、シカゴ、そしてカリフォルニア全体から、30人以上の友人たちが駆け付けました。

 
ある女性はチェロを持って参加し、またある男性はハーモニカを演奏。

彼女のお気に入りのピザやカクテルがふるまわれたり、彼女が大好きな映画の一つが上映されたり…

パーティーは、とても華やかなものでした。

 
そんな楽しい時間の中で、参加者たちはルールを守り、たびたび部屋を出て涙を流したそうです。

今日までのベッツィーさんの苦しみと、今日を迎えることができた彼女の幸福を、その場にいた全員が、肌で感じ取っていました。

 
やがて、友人たちが別れのキスや記念撮影をして帰っていきます。

 
お気に入りの浴衣に着替えた彼女は、友人の運転する車に乗り込み、パーティー会場から自宅へと出発。

 
そして、自室のベッドで処方された安楽死用の薬を飲むと…

家族や主治医らに見守られつつ、ベッツィーさんは天国へと旅立ちました。

 
病気になる前は、パフォーマンスアーティストや画家として活動したベッツィーさん。

友人たちは語ります。

彼女が私たちにくれたのは、誰もがうらやましがる、最も美しい命の終わり方でした。

彼女は、自分自身の死をアートにしたのです。

 
ベッツィーさんがパーティーで見せた明るい笑顔。

それは家族や友人たちの心に、生涯忘れられない記憶として刻まれたに違いありません。

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