走る本屋さん 高久書店 (@books_takaku)公式アカウントは先日、とある「製本方法」について呟きました。
先ほど「今まで知らなかった。腑に落ちました。」と満足して帰られたお客様がいました。
本の上がギザギザの製本ミスの文庫本が結構あるという疑問にお答えしたのです。
それは、製本ミスではなく「#天アンカット」という格調高い製本方法なんですよ。
左の2冊新潮文庫、岩波文庫は天アンカットです。 pic.twitter.com/EdnHySTHu7— 走る本屋さん 高久書店 (@books_takaku) September 26, 2020
天アンカットは、小口三方の上部(天)を未断裁する装丁です。産業革命時代より格調高い製法として西洋より伝わりました。裁断するより工程に手間やコストがかかると言われています。
— 走る本屋さん 高久書店 (@books_takaku) September 26, 2020
新潮文庫はスピン(紐栞)をつけるために断裁しない、岩波文庫はフランス装の趣を出すためというように、ハヤカワ文庫や創元推理文庫のように歴史の長い老舗の「お洒落」な拘り矜持みたいなものです。
— 走る本屋さん 高久書店 (@books_takaku) September 26, 2020
なるほど…!!Σ(゚Д゚)
歴史ある技術
そのような意味があったとは、知りませんでした!!
実は私も雑な製本だと思ってました。
— choco (@chococo3111) September 27, 2020
私は天アンカット大好きです。以前、書店のレジで大学生くらいの男性が店員さんに創元推理文庫を見せて「これ、不良品みたいなのでちゃんとしたやつありますか…」と言っている場面に遭遇したことがありますが、あまり認知されていないようで少し残念です…。もっと広めたいですね。
— なまけたろう (@namaketar0u) September 26, 2020
せっかくコストをかけているんだから、意味合いを知って有り難みを感じたいですね。
僕もこのツイートで知りました。次から有り難みを感じられると思います。— なるく (@nalcnalc) September 27, 2020
細部までプロのこだわりが詰まった一冊。
手に取った際は、少しゆっくりと眺めてみたいですね(*´▽`*)
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みんなの反応
●岩波本を見たら確かに上はギザギザで下はツルツルだ〜。本という媒体自身の理想を求める美学が、現代まで受け継がれている事を知れたのは、とても嬉しい気持ちになりました!通常の製本に比べたら余分なコストであっても、アンカットは本の愛好者達の誇りみたいなものを感じさせます
●紙の本は基本的に古書しか買わない僕は、こうなっているのはボロくなったからだとずっと思っていた。紙の色も黄ばんでいるし、なんだか「多くの年月と人々を経て僕の手元に辿り着いた」感が「本の本質」のように思えていたんだよね。まさか狙ったものだったとは
●もしやこの技術、同じ本が大量生産可能な時代に「中身は同じでも形として同じ本は二冊とない」みたいな特別感を感じてもいいヤツです…?
●あれだけ読んでおきながら知らなかったし、手抜き製本だとばかり思ってた。正直スマンかった
誰かに教えたくなるお話に、他のユーザーからも大きな反響が寄せられていました!