譲り受けた仔犬が盲目だということに気付いた飼い主は、すぐに譲り主のところへ戻りました。その理由とは…。
[ada]
とある農家で飼われていた、オーストラリアン・シェパードの仔犬。血統書付きで健康的な仔犬として可愛がられ、他の犬と何ら変わりなく育てられていました。
そしてある日、仔犬を飼いたいと申し出たマリーさんに引き取られていきます。
自宅に仔犬を連れて帰ったマリーさんは、何だか様子がおかしいことに気付きました。「もしかして、目が見えていないのでは…?」
譲り受けたその仔犬は盲目でした。しかし、生まれ育った農家では、家の中を熟知していたせいか、まるで目が見えているかのように走り回っていました。そのため、誰もその仔犬が盲目であることに気が付かなかったのです。
マリーさんは、仔犬を譲り受けた農家へ戻ることにしました。
盲目だと分かった仔犬を返しに行くのではありません。彼女の心の中には既に「仔犬の家族になって愛情を注ごう」という強い決意がありました。
農家に着くなりマリーさんは、同じく農家で飼われていた兄弟犬も譲り受けたいと申し出ます。
同じ空間で暮らしてきた兄弟と一緒なら、盲目の仔犬も安心してより幸せに過ごせるだろうと考えたのです。
こうしてマリーさんの家族となった2匹の兄弟犬。盲目の仔犬はティベリウス(右)、もう1匹の仔犬はブッカー(左)と名付けられました。
ティベリウスは、音や匂いでブッカーの居場所が分かります。
ブッカーは、ティベリウスが安全に行動できるよう導いてくれます。
兄弟ということもあってか、2匹の息はぴったり! 一緒に遊ぶ様子なんて、ティベリウスが盲目であることを忘れてしまうほどです。
マリーさんが考えた通り、兄弟犬を一緒に飼うこと=「兄弟が一緒に暮らすこと」は、素晴らしい効果をもたらしたのです。
元気良く遊びまわっている姿は、コチラの動画でご覧いただけます。
飼うことになったペットが何らかの障がいを抱えていると判明したら、それを悲観的に受け止めてしまう人の方が多いのではないでしょうか。「健康な子と取り換えて欲しい」と、返しに行く人もいるかもしれません。
しかしマリーさんは、ティベリウスの障がいに気付きながら「この子にとって最善は何か?どうしたら幸せにできるか?」と考え行動に移しました。
盲目であるティベリウスを素直に受け入れ、幸せなワン(人)生へと導いたマリーさん。彼女の真っ直ぐな愛情と、そこから生まれた行動力に深く感動しました。