イギリスで子猫の保護を行っている施設に、3匹の子猫の兄弟がやってきます。
彼らは生後8週間ほどの幼さで、ひどい栄養失調に陥っていました。
さらに、3匹とも染色体異常をもって生まれており…
特にバギーと名付けられた子猫は、他の2匹と比べても、酷い状態だったといいます。
一縷の望み
バギーの目は通常よりも大きく、またアゴが歪んでおり、他の子猫のように口を上手く開くことが出来ません。
施設でボランティアを行っていたクレアさんは、そんなバギーを引き取りたいと申し出ますが…
まもなく、さらに残酷な真実が明らかになります。
獣医の先生は、「1歳の誕生日を迎える前に、安楽死させてあげるべきだ」、と。
彼の状態はやがてどんどん悪化していき、歩けないどころか、たいへんな苦痛を伴うことになる、と説明されたんです。
それでも、クレアさんの決意はゆるぎませんでした。
そして、たくさんの愛情を与えてあげたかったんです。
彼女は愛猫のため、あらゆる手を尽くしますが…
獣医の先生の言葉通り、バギーの足は悪化し続けていきました。
そんな折、クレアさんはふと、獣医師であるノエル・フィッツパトリック氏のことを思い出します。
彼には、神経や整形外科的な問題に悩まされる多くの動物たちを、奇跡のような手術で救ってきた実績がありました。
長い旅路を経て、クレアさんはノエル医師に会いに行きました。
そして…
バギーの状態を診たノエル医師は、手術で助けることができる、と判断したのです。
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2人の恩人
手術は無事に成功。
1歳の誕生日を迎えられない、とさえ言われていたバギーですが…
ノエル医師は、通常の猫と同じくらいに長生きできるかもしれない、とクレアさんに伝えます。
やがて3歳になったバギーは、すっかり元気に成長を遂げました。
他の猫たちと同じように、走り回ったり、ジャンプしたりしているそうです。
か弱い命を見捨てなかったクレアさんと、切なる願いを現実に変えたノエル医師。
2人の恩人と出会えた運命に、バギーもきっと、心から感謝していることでしょう。