イギリスの動物保護団体のもとに連れてこられた、4匹の子猫。
中でも『サンベリーナ(親指姫)』と名付けられた女の子は、ひときわ小さな体の持ち主でした。
私たちは、「彼女は他の子とは違う」とすぐに気づきました。
事実、サンベリーナは異常なほどに疲れやすく…
少し遊び回っただけで転倒したり、体調を崩したりしてしまいます。
獣医にかかったところ、どうやら心臓に何かしらの欠陥がある様子。
しかし、その詳しい原因を探るためには超音波を用いた特殊な検査が必要です。
孤独な闘病生活
この診察は一定の体格に達しないと受けられないため、体の小さなサンベリーナは、少なくとも1ヶ月以上、十分に大きく成長するのを待つ必要がありました。
その間にも、他の3匹の兄弟は、新しい家族のもとへと引き取られていき…
残されたサンベリーナは、独りで病と闘います。
そんな彼女を、更なる不幸が襲いました。
検査を経て告げられたのは……
彼女の心臓を治す手立てはなく、「1歳の誕生日を迎えることはできないだろう」という残酷な結果だったのです。
残念なことに、手術や投薬では、その欠陥を元に戻すことは出来ないんです。
専門家が言うには、今生きていることさえ奇跡に等しい、と…。
あまりにも悲しすぎる宣告。
それを知ってか知らずか、サンベリーナは里親となったコリンさんとアンナさんに、ぴったりと寄り添うようになりました。
コリンさんとアンナさんも、せめて彼女が天寿を全うするまで、せいいっぱいお世話をする覚悟を決めます。
けれど、同じ年齢の子猫と比較すると、体の大きさは半分ほど。
それに、すぐに疲れてしまうので、遊んだ後はいつも休憩が必要です。
誰もが、目の前に迫っているであろう「最期の日」を恐れながら待ちました。
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奇跡ではなく運命
しかし、そんな周囲の予測とは裏腹に
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なんとサンベリーナは、無事に1歳の誕生日を迎えることが出来たのです!
心臓の欠陥自体が治ったわけではなく、診察した獣医も驚きを隠せなかったそう。
その後、コリンさんとアンナさんは、彼女を正式に家族として迎え入れました。
Do you remember our very special tiny kitten Thumberlina who had a major heart defect.
The heart specialist said she…
ペットの「生きたい」、そして飼い主の「生きてほしい」という願いが重なって生まれた結末。
それは奇跡ではなく…
「運命」と呼ぶにふさわしいものだったのかもしれませんね。