イギリス・ケンブリッシャー州エリーにあるスーパーマーケット『セインズベリーズ』の人気者、ガーフィールド。
赤毛で人懐っこい9歳の猫です。
もともとよその家に暮らしていた彼は、数年前からこの店を第二の我が家のように気に入って以来、ほぼ毎日、店内の様々な場所でお客さんを出迎えてきました。
その後、「ミスター・セインズベリー」という愛称で呼ばれ、Facebookファンページも作られるなど、人々からとても可愛がられていましたが…
ある日、一本の「苦情」が寄せられます。
店内に併設された旅行会社『ヴァージントラベル』の前にある赤いソファで寝ていたガーフィールドに、小さな女の子がひっかかれたというというのです。
「猫を追い出して」
連絡を受けたヴァージントラベルの本社は、猫を店内から追い出すようセインズベリーズに依頼。
ヴァージントラベルの担当者はこう話します。
しかし、人間のお客様の安全が最優先です。
こうしてセインズベリーズはガーフィールドの入店を禁じざるを得なくなり…
人々に対して、今後はロビーや駐車場で彼と接するようにしてほしいと発表しました。
しかし、「たった一つのクレームで追い出すのはひどすぎる」と、今度は店側に抗議の電話が殺到。
こうした状況を受けて、ガーフィールドのファンページの管理者のひとりであるティナ・バッタグリアさんは、次のような投稿をアップしました。
批判的なコメントより、支持的なコメントの方が多かったことが、とても嬉しいです。
ひっかかれたり、かまれたりしてしまった人、ごめんなさい。
でも、多くの人が知っている通り、それは猫からの警告なんです。
だから、彼が『触ってもいいよ』といったそぶりを見せても、どうかお腹をくすぐらないであげてください。
店を訪れる人々がガーフィールドと交流する機会は、以前より少なくなってしまいましたが…
その後も彼のファンページには数多くの写真が投稿されるなど、人気は健在でした。
やがて、「ソファが大好きなガーフィールドに、なんとか彼専用のソファを作ってもらえないだろうか?」というお願いが、たくさんの利用客から寄せられます。
セインズベリーズのスタッフは返答しました。
ぜひ作ってあげようと思います。
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ことの結末
そして、先日の2019年の7月3日
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ガーフィールドは、店の駐車場で交通事故に巻き込まれ、死亡してしまいました。
Fan share Thank you Kat. It's very lovely to see all the love and respect for our little furangel! 💜 *Audrey
あまりにも悲劇的な結末に、言葉が出ません。
オーナーのデビッド・ウィラーズさんは…
彼が残してくれたものは、これからも生き続けます。
今夜、ともに暮らす猫達をいつも以上に抱きしめてあげてください。
そして、どうかガーフィールドのことを思い出してあげてください。
動物と人間が共に暮らすことには、やはり難しさも伴います。
今回の出来事は、それを忘れてはならないという戒めなのでしょうか。
胸が苦しくなる、切ないエピソードでした。