それは原田朱美(@haradaakm)さんが、買い物から帰宅していたときのことでした。
買い物帰り、86歳のおばあさんに声をかけられ「おにぎり屋さん知らない?」。午後7時過ぎにおにぎり屋‥?少し心配して案内がてら質問をいくつか。お住まいも経路もはっきりおっしゃる。お店は案の定営業終了していたが、ご飯どうしようかしらと近所にいるらしい親戚にお電話。これは大丈夫かと続
— 原田朱美 (@haradaakm) August 23, 2022
お役目終了かなと思ったら、ご親戚には忙しいからとご飯を断られてしまった様子。ご自宅方向の大通りまでお見送りしようとしたら「この辺で美味しい店知らない?」と質問責めに。いくつかおすすめを伝えたら「じゃあそこでちょっと一杯やろう」と見事なナンパテクニックで流れるように居酒屋へ
— 原田朱美 (@haradaakm) August 23, 2022
元々は、お店のカウンターに飲んだ徳利をずらっと並べるほどの大酒飲みだったとか。「本当はこういう居酒屋に行きたいけど、『女性一人はダメ』って何度か断られたの」。私は断られたことはないな‥そうか‥。いつもの癖で「生ビール」と注文したらおばあちゃんが「私も」。
— 原田朱美 (@haradaakm) August 23, 2022
ご体調もわからないし、帰りもあるし、さすがにジョッキは大きいよなと慌てて「瓶ビールを二人で分けましょうか!」とチェンジ。とにかくグルメな方で、寿司屋ならここがいい、中華ならここ、うどんならここ。「でも昔からの店は閉まっちゃってもうないの」。だから人に会うたびにいい店を聞いていると
— 原田朱美 (@haradaakm) August 23, 2022
今日探していたおにぎり屋も、以前テレビで見てわざわざ買いに来たらしい。「家でも食べるけれど、もう作るのはしんどいのよ。こうやって外に出ないとお腹も空かないし、気が滅入るでしょ? 今からご飯行こうと気軽に誘える友達は近くにはいなくなっちゃったし。みんな死んじゃうもの」
— 原田朱美 (@haradaakm) August 23, 2022
ちびちび飲みながら、生まれ育った街のこと、疎開のこと、女学校の友達、ずっと習っていたお花の友達、月に1回浅草で会う友達。たくさん聞かせてもらった。あっという間におばあさんのコップのビールがなくなって焦ったけれど、顔色や口調は変わらず。本当にお好きなんだなあ
— 原田朱美 (@haradaakm) August 23, 2022
途中で、昔よく通っていたというお店の店主から、電話がかかってきた。少し前にお店は閉めたらしいが、時々様子を聞くためにかかってくるそうだ。「あんまりお電話しちゃダメかなと思ってかけなかったのよ」と嬉しそうにお返事していたおばあさん。居酒屋は結局、鰹の刺身とトマトをつまんで出た。
— 原田朱美 (@haradaakm) August 23, 2022
お店を出たおばあさん、足元がふらつく様子はなく「さっきあなたが言ってた蕎麦屋はこの先?」。ですです、ぜひ行ってみてくださいねと、タクシーを止めて、お見送り。「誰かと楽しく美味しいご飯を食べる」。人生のとても大事なことが詰まった時間を、ありがとうございました。よかったら、また。
— 原田朱美 (@haradaakm) August 23, 2022
素敵( *´艸`)
誰かと食べることの良さ
なお、リプライ欄にはこんな声も。
原田朱美さん、私も86歳の老婆です。身につまされました。私は九年間1人食事です。孤食はいけないよ、の言葉を残し夫は逝きました
それ以来孤食ですが、外食は、ほとんどしません、
ですが、1人食事ほどさみしいものはありません、
誰かと一緒にと望みます
何もなくても、それが一番のご馳走です。— 山﨑君子 (@CheT92OKRgbvynT) August 24, 2022
おばあさんも原田さんと楽しく食事ができて、きっと嬉しかったに違いありません(*^_^*)
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みんなの反応
●素敵な出会いですね。こういうのがサラッとできる人でいたいと思います
●心がホッコリ温かくなりました
●子ども達が成長し最近一人で出かけるようになって食事をしたりすると、食事を食べながら美味しいねと言いあえてシェア出来たりするって本当に幸せなんだと痛感します。高齢の方が隣り合った連れではない高齢者に話しかけ、美味しいねと言い合う御姿を見たりすると色々考えます
グッとくるお話に、他のユーザーたちからも大きな反響が寄せられていました。