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その理由に感動。チャンピオンが大会失格になってまで挑んだ勝負とは…

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車椅子に座り砂浜から海を眺めているのは、海とサーフィンをこよなく愛するニコラス・ガレゴスさん。

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今から20年前、当時18歳だった彼の憧れはプロサーファーでした。「未来は無限に広がっていて、やりたいと願えば何でもできる」そう信じていました。

しかし、夢と希望に満ちた18歳のニコラスさんに、突然の悲劇が降りかかります。不慮の事故で脊髄を損傷、腰から下の自由を失ってしまったのです。

それから20年間、車椅子生活を余儀なくされて生きてきたニコラスさんでしたが、「波に乗りたい」という想いだけは、どうしても拭い捨てられずにいました。

 
そんな彼に希望の光をあてたのは、マーティン・パセリ選手でした。20年間プロサーファーとして活躍し、5回に渡りアルゼンチンサーフチャンピオンシップ優勝を勝ち取ってきた英雄です。今回出場した大会でも、有力候補として期待を集めていました。

大会当日、マーティン選手は、観戦に訪れていたニコラスさんに近寄り、肩を撫でながら話しかけます。「一緒に波に乗ってみないか?夢を叶えようじゃないか!」

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間もなくするとスピーカーから、マーティン選手の名前が呼ばれました。

ヒート中の海に颯爽と向かっていくマーティン選手。そしてその背中には、ニコラスさんの姿が!

チャンピオンのパフォーマンスを見逃すまいと注目していた他の選手や観客たちは、目を見張りました。

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マーティン選手はためらうこともなく海へ入り、ニコラスさんを背負ったままテイクオフを試みます。そして、全力で、歯を食いしばりながら立ち上がったのです。ほんのわずかの間でしたが、2人は確かに波に乗りました。

20年間、ニコラスさんがずっと抱き続けてきた「波に乗る」という夢がついに叶った瞬間でした。

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この様子に会場中が感動。他の選手たちも駆け寄り、2人の健闘を抱き合って祝福しました。

と言っても、ここは大会というシビアな場。マーティン選手は、もちろん失格となってしまいました。しかし、その結果にひるむことなく、彼が大会後のインタビューで話した言葉は素晴らしいものでした。

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「確かなのは、私は負けたのではないということです。あれは最高の波だったし、私の人生における最高の勝利であったと信じています」

 
▼コチラから2人の波乗りの様子がご覧いただけます。

 
諦めない強い信念があれば、誰にでも夢は叶えられる。本当にできるかできないかは、やってみるまで分かりません。ニコラスさんの夢を叶えるために行動したマーティン選手の力強い言葉が胸に残ります。

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