米ニューヨーク・ブロンクスの野良猫のコロニーにて、とても人懐っこい猫が見つかりました。
飼い猫が逃げ出したのか、それとも特別な助けを必要としている野良猫なのか…
その様子になんとなく胸騒ぎを覚えた発見者の女性は、地元のアニマルレスキューに連絡を取り、判断を仰ぐことに。
欧米では、ペットの保護管理をより確かなものとするため、飼い猫の身体にマイクロチップを埋め込むことが通例となっています。
スタッフがこの猫のマイクロチップを確認したところ、2008年に登録がありました。
彼は『マウシー』という名前で、誰かに飼われていたのです。
悲しい事実
スタッフは、すぐにチップに登録されているはずの飼い主の情報をチェックします。
しかし…
また住所も、ここから車で三時間以上もかかる他の州のものだったんです。
けれども、私たちは最終的に、飼い主の女性に関する情報を見つけることが出来ました。
…より正確には、「死亡記事に載った彼女の名前」ですね。
マウシーの元飼い主であるデニスさんは、39歳という若さで、2008年にこの世を去っていました。
死亡記事には、デニスさんのご両親に関する情報も載っていました。
なので、せめて最後にその人たちへ連絡をしてみようと思ったんです。
そしてスタッフは、デニスさんの母親であるジョイスさんと連絡を取ることに成功します。
状況を理解するにつれて、胸を打たれたような反応へと変わっていきました。
彼女は、娘のデニスさんが、「亡くなる2~3ヵ月前に2匹の子猫を迎え入れていた」と教えてくれたんです。
娘が亡くなった後、ご両親は子猫を引き取ろうとしたのですが…
デニスさんの旦那さんがそれを拒み、2匹を連れて行ってしまったのだそう。
その後、ご両親と旦那さんは疎遠になり、子猫の消息も知らないまま時が流れていったといいます。
驚くべきことに…
スタッフが彼らへ連絡を取ったのは、なんと亡くなったデニスさんの十周忌に当たる月でした。
ちょうど10年という節目に、このような奇跡が起きたことについて、ジョイスさんは「きっと神様のお陰に違いない」と繰り返していました。
デニスさんのご両親と妹さんは、マウシーを飼い猫としてお世話をしていくことに。
レスキューのスタッフも、すぐに移送の手配を整えます。
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感動の再会
10年もの歳月と、4時間という長旅を経て…
絆は再び結ばれました。
名前は、もちろんマウシーのままですよ。
デニスが、この子をそう呼んでいたんですから。
奇跡の巡り合わせに、祝福の拍手を送ります。