ある日の深夜、アメリカでライターとして活躍しているクリフ・シムズさんのもとに、ミシシッピに住む83歳の祖母・ビリーさんが亡くなったという電話が入りました。
認知症により、深い親交のあった友達の顔も忘れ始めていたという彼女。
最期は、毎日病院を訪れていた夫のジミーさんに看取られ、穏やかに天国へと旅立ったといいます。
お葬式にはたくさんの弔問客が訪れ、孫であるシムズさんは改めて、ビリーさんが歩んだ幸せな人生に思いを馳せました。
同時に…彼にとって気がかりだったのは、やはり残されたジミーさんの気持ち。
ただでさえ愛する人を亡くすのは辛いことなのに、それが60年以上も連れ添った妻だったとしたら…悲しみの深さは、想像もつきません。
シムズさんたちには、彼を励ます方法がわかりませんでした。
そんな日々の中で、一家がビリーさんの遺品を整理していたときのこと。
彼女の小切手帳の中から、1通のメモが見つかりました。
そこには
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My Mimi passed away this week, but left this in her checkbook for my Grandaddy to find. They were married over 60 years. Wow.
Cliff Simsさんの投稿 2015年1月15日
私が生きていたときのことを思い出して笑って。
だって、あなたは私が幸せな場所にいるって知ってるでしょう。
そして、私たちはまた会えるっていうこともわかっているはずよ。
「天国」で待ってるわ。
シムズさんは語ります。
そんな確信からくる希望と安らぎが、これでもかと詰まった手紙でした。
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このメモが、いつ書かれたものかはわかりません。
ただ…それは間違いなく、自らの死期を悟った妻が夫にあてた「愛の言葉」でした。
「さようなら」ではなく、「待っている」。
最後のラブレターを読んだジミーさんは、きっと心の平穏を取り戻したことでしょう。
ゆるぎない夫婦愛を感じさせるエピソードに、強く心を打たれました。