アーティストのベッツィー・デイヴィスさんを襲った、ALS(筋萎縮性側索硬化症)。
CGTNさんの投稿 2016年8月12日金曜日
発症すると徐々に全身の筋力が低下し、身体を動かすことや他者とのコミュニケーション、最終的には呼吸すらも困難になっていく難病です。
ベッツィーさんの体も、少しずつ自由がきかなくなっていき…
ある日、ついに余命宣告を受けた彼女は、自ら安楽死を選択しました。
「楽しい時間を過ごしてから、死んでいきたい」
そう願った彼女は、「レディー・トゥー・ダイ・パーティー」と銘打った、二日間にわたるパーティを開催することを決め、友人たちを招待します。
持ち物は、我慢強さと何事も楽しめる心、そして寛容さね。
参加者に課せられた条件は、ただ一つ。
「決して彼女の前では泣かないこと」でした。
当日には、ニューヨーク、シカゴ、そしてカリフォルニア全体から、30人以上の友人たちが駆け付けました。
CGTNさんの投稿 2016年8月12日金曜日
ある女性はチェロを持って参加し、またある男性はハーモニカを演奏。
彼女のお気に入りのピザやカクテルがふるまわれたり、彼女が大好きな映画の一つが上映されたり…
パーティーは、とても華やかなものでした。
CGTNさんの投稿 2016年8月12日金曜日
そんな楽しい時間の中で、参加者たちはルールを守り、たびたび部屋を出て涙を流したそうです。
今日までのベッツィーさんの苦しみと、今日を迎えることができた彼女の幸福を、その場にいた全員が、肌で感じ取っていました。
やがて、友人たちが別れのキスや記念撮影をして帰っていきます。
CGTNさんの投稿 2016年8月12日金曜日
お気に入りの浴衣に着替えた彼女は、友人の運転する車に乗り込み、パーティー会場から自宅へと出発。
CGTNさんの投稿 2016年8月12日金曜日
そして、自室のベッドで処方された安楽死用の薬を飲むと…
家族や主治医らに見守られつつ、ベッツィーさんは天国へと旅立ちました。
病気になる前は、パフォーマンスアーティストや画家として活動したベッツィーさん。
友人たちは語ります。
彼女は、自分自身の死をアートにしたのです。
ベッツィーさんがパーティーで見せた明るい笑顔。
それは家族や友人たちの心に、生涯忘れられない記憶として刻まれたに違いありません。