テキサス州南部に住む仲睦まじい夫婦の夢は、一緒に素敵な庭をつくること。
どんな風にしようかと語り合いながら、幸せな7年間を過ごしてきました。
けれども、その夢は無残にも打ち砕かれてしまいます。
しばらくして…奥さんが、この世を去ってしまったのです。
悲しみに打ちひしがれ、自暴自棄になりかけた旦那さん。
しかし…
そう心に誓い、独りガーデニングに取り組むことに決めました。
とはいえ、庭づくりは実に難しい作業。
芝生を用意し、たった1つの花を植えるだけでも、何時間もインターネットで情報収集しなければなりません。
それでも試行錯誤を重ねながら、彼は妻の夢を実現するため努力を続けます。
ガーデニングの先輩たちからもアドバイスをもらいながら、少しずつ土の扱い方を覚えていき…
しばらく経つと、男性の庭は通りすがりの人たちの注目を集めるようになりました。
そんなある日のこと。
いつものように庭に出た旦那さんは、見たことのない植物が増えていることに気がつきます。
どうやら、見知らぬ人物が夜のうちに置いていってくれた様子。
それから何度も同じことが続き、いつしか彼は、心優しい協力者のことを「緑の妖精」と呼びはじめました。
後に判明した事実ですが、実はこの「緑の妖精」さんにも、ガーデニング好きな息子を亡くした悲しい過去があり…
大切な人の夢を追い続ける旦那さんの姿に感銘を受け、亡き息子が育てた植物を1つずつ置いていくことにしたと言います。
自分と同じく、愛する存在を失った方からの素敵なプレゼント。
庭はさらに美しくなり…
何より人の優しさに触れていくなかで、沈んでいた彼の心も、少しずつ癒されていきました。
奥さんは、この未来を知っていたのかも知れません。
亡くなった人々の想いをのせて…これからも植物は優しく、残された人々を見守り続けてくれることでしょう。