2017年10月1日。
イラクでの従軍経験もある29歳の元海兵隊員、テイラー・ウィンストンさんは、ラスベガスでの銃乱射事件に遭遇しました。
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銃声が鳴り響く会場から、一旦は逃げ出しましたが…
その目に1台のトラックが飛び込んできたとき、彼は行動を起こします。
テイラーさんは持ち主に断る間もなく、鍵が付けられたままでエンジンもかかっているそのトラックに乗り込み、まだ凶弾が飛び交う現場へと戻りました。
「治療を必要とする人たちが大勢いることは一目で分かりましたが、救急車もすぐには来られない状態でした」
そして彼と友人たちは、自分たちの身の危険もかえりみず、荷台に苦しむ人々を乗せ始めたのです。
軍隊で培った経験を生かし、重傷者に応急処置を施しながら、この夜テイラーさんたちは、病院までの道のりを2往復しました。
事件から3日後、テイラーさんのもとに、トラックの持ち主からメッセージが届いたそう。
持ち主:
「こんにちは、テイラーさん。話は聞いています。
あなたが持ってる鍵を返してもらいたくて連絡しました。
今回のことは何も気にしないでください。運んだ人々は大丈夫でしたか?」
テイラーさん:
「およそ30人、病院に搬送することができました。
全員が助かったかは定かではありませんが…
あなたのトラックがなければ、救うことができなかった人々です。
勝手に使ってしまい、申し訳ありませんでした」
アメリカの歴史に影を落とす凄惨な事件。しかし…
あの日、勇敢に戦った「ヒーロー」がいたという事実は、これからを生きる人々にとって、一筋の光となったに違いありません。
(参照:boredpanda / CBS / CNN)