イギリスに住むジョルジーナ・プライスさんはある日、里親募集のウェブサイトで、トビーという名の6歳の猫に出会います。
普通の猫と少し違う外見の彼は、「エーラス・ダンロス症候群」という難病を患っていました。
これは皮膚がとても脆く、そしてゆるくなる疾患で、「皮膚無力症」という名でも知られています。
ジョルジーナさんと婚約者クリストファーさんが面会のために保護施設を訪れた時、彼はとても怯えた様子でした。
しかも、一度傷ができてしまうと治りがとても遅いのです。
そんなトビーには、大親友がいました。
2匹とも身を寄せ合ってすごく怯えていたんです。
触ることすらできませんでした。
施設に引き取られた当時、クイントンはすべての歯を、トビーもいくつかの歯を抜いたといいます。
そうした想像を絶する状況下で、ずっとお互いを支え合って生きてきた2匹だからこそ…
保護団体のメンバーは、里親に出す時には必ず一緒でなければならないと感じていました。
ジョルジーナさんも、すぐに同じ想いを抱きます。
「彼らこそ、私たちが連れて帰るべき猫だわ」
彼らが安心して暮らせる環境を与えてあげたかったんです。
やがて2匹は、正式に彼女たちの家族となりましたが…
家に来てから数週間、トビーはずっとクイントンの後ろに隠れていたそうです。
部屋に出て来る時といえば、私たちが出かけている時か、寝ている時くらいだったんです。
信頼を築くのにとても時間がかかりました。
それでも、献身的に世話をし続けたジョルジーナさんたちのもとで…
2匹も、『もう怖がる必要はない』ということを理解したのでしょう。
環境に慣れ始めたクイントンを見て、怖がりだったトビーも、少しずつ自分の殻から出てみようと決意したようです。
いつもトビーを気にかけてくれます。
トビーもとっても優しくて、クイントンが行きたい所ならどこでも一緒について行くんです。
ジョルジーナさんの献身的な愛情で、トビーはどんどん自信をつけていきました。
触れることもできなかった頃が嘘のように、今ではお腹を撫でられるのが大好きです。
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もちろん、皮膚が弱く傷つきやすい彼がなるべくいい健康状態でいられるように、定期的なケアは欠かせません。
爪を短く切ったり、擦り傷をなるべく避けるように家を片付けておいたりと、常に細心の注意が必要となります。
しかし…
ジョルジーナさんは明るく語りました。
とてもラッキーだと思っています。
閉ざされた心を救ったのは、無条件の愛と親友の支え。
これからもたくさんの愛に包まれて、2匹は幸せな日々を送ることでしょう。