テキサス州に住むケイシー・シモンズさんは、レストランでの勤務中、一風変わった1組のお客さんと遭遇しました。
その方たちはカップルで来ているにもかかわらず、この店で一番安い37セント(約40円)のフレーバーウォーター1点しか注文しなかったそうです。
少し経った後、彼らは席を立ち、シモンズさんにレシートを渡して店を去りました。
そして…
受け取ったレシートを見たシモンズさんは言葉を失います。
なんと、37セントの支払いに対し、500ドル(約54000円)ものチップが上乗せされていたのです!
一体何があったのだろうとシモンズさんは驚きつつも、カップルのいた席へと向かいました。
するとテーブルには、なにやら文字が書かれた1枚のナプキンが…。
その内容を読んだシモンズさんはハッと気づき…
前日に起こった「ある出来事」を鮮明に思い出したのです。
自宅近くのスーパーでレジに並んでいたところ、ひどく落ち込んでいる女性を目撃したシモンズさん。
普通の人なら気にも留めず通り過ぎるような、何気ない日常の一場面でした。
しかし、彼は…
その一心で彼女に声をかけ、代金17ドル(約1700円)を代わりに支払い、そのまま店を後にしたそうです。
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ナプキンの手紙には、こう書いてありました。
母が1年で最も憂鬱になる父の命日を、あなたは素敵なものにしてくれました。
あなたが親切にしてくれてから、母はずっと笑顔です。
あなたは自分が代金を支払うと言って聞かず、母のことをとても美しい女性とも言ってくれたそうですね。
父が亡くなって以来、母がこんなにも笑う姿を見たことがありませんでした。
母は、特別助けを必要としていたわけではなかったかもしれません。
それでも、あのときのあなたの行いが、これからの母の1年を明るく照らしてくれたのです。
メッセージは、シモンズさんがスーパーで出会った女性の娘さんが書いたもの。
人を笑顔にするのが大好きなシモンズさんは、見返りなど求めていませんでした。
しかし、お母さんが笑顔になった理由を知った娘さんは、どうしても感謝の気持ちを伝えたかったのだと思います。
この心温まるエピソードは、アメリカのメディア「USA TODAY」でも取り上げられました。
なにげない優しさが、他者の人生に大きな幸せをもたらすことがあります。
親切を与えることと、それに応えること。
日常にあふれるそうした行いは、我々が思う以上に、かけがえのないものなのかも知れません。