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生体実験の末に捨てられたチンパンジー。会いに来た人間に取った行動に胸が震える

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西アフリカ・コートジボワール共和国付近のある島。ここに、辛い過去と孤独を背負いながら生き続ける、ポンソというチンパンジーがいます。
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現在およそ40歳ほどのポンソは、30年以上前にはニューヨーク血液センター(NYBC)にいました。そこでポンソは、たくさんの仲間たちと一緒に、医薬品の生体実験の対象にされたのです。そして、実験が終わるとチンパンジーたちはこの島に捨てられました。

この島にはチンパンジーが食べられる食べ物がなかったため、数年間はNYBCによって食料の供給や予防注射が行われていました。しかしそれが途絶えると、食べることができなくなったチンパンジーたちは次々と息絶え、ポンソのパートナーや2匹の子どもたちも死んでしまいました。

 
辛い動物実験を乗り越え、たどり着いた先に待っていた島での孤独な生活。

水も食料もない場所で、ポンソを支えていたのは近所の村に住む優しい男性ジャーメインさんでした。彼が、定期的にバナナやパンを与えてくれたおかげで、ポンソは何とか生き延びることができました。
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そんなポンソが、久しぶりに知らない人に会ったときのことです。

あるとき、チンパンジー保護センターの理事を務めるエステル・ラバランドさんがポンソに会いにこの島を訪れました。

するとポンソは、なんと、これ以上ないほど幸せな様子で、エステルさんを迎えてくれたのです。
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その表情は笑顔にすら見えたそうです。

 
人間から受けてきたひどい仕打ちを考えると、恐怖や怒りなどの感情を持っていて当然のはずなのに、エステルさんをギュッと抱きしめたポンソ。
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知能が高く群れで行動するチンパンジーのポンソが、本当に必要としていたのは『愛情』でした。エステルさんをギュッと抱きしめた様子からは、ポンソがどんなに寂しい思いをしているかが、本当に良く分かります。

 
この島で暮らしているのはポンソ1匹ですが、別の場所にもポンソと似たような境遇を持つチンパンジーたちがいます。しかし2015年4月、NYBCは置き去りにしたチンパンジーたちへのサポートを打ち切ると発表。

霊長類学者ジェーン・グドール氏は「ショッキングで許されないこと」、同じく霊長類学者のブライアン・ハーレ氏は「こんなにも気分を悪くさせるものに出会ったことがない」など、大きな非難の声を上げました。

 
幸いにも、ポンソや他の場所で生き延びたチンパンジーたちは、現在は動物福祉団体や心優しい一般人たちにサポートされています。
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彼らは「SOS Ponso」というプロジェクトを通し、ネット上で募金を募っています。現在の募金額は34,000ユーロ(約436万円)で、目標金額の50,000ユーロ(約635万円)までもう少しです。

人間を嫌いになってもいいはずなのに、それでも愛情や誰かとのふれあいを求めるポンソの姿に、激しく胸を揺さぶられます。人間の身勝手によって苦しめられたチンパンジーたちを幸せにするのは、人間の義務であると強く感じました。

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