ある朝のこと、動物病院へ出勤してきた獣医のジュリーさんは、病院の前に置かれた箱を覗いて驚きました。小さな子猫が4匹も入っていたのです。
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慌てて病院の中へ連れて入り、子猫たちを温めてあげたジュリーさん。動物保護施設へ連れて行くことも考えましたが、なんとも愛らしかったため、結局自分たちで面倒を見ることにしました。
まだ生後3~4週間と思われる子猫たち。その晩は病院の看護婦さんが、4匹まとめて家へ連れて帰って世話をすることになりました。
すると翌日、病院の前にまた別の猫が。こちらは大人の猫です。
どうやら病院に用事があるようでした。というのも、人が出たり入ったりしていたその出入り口から、「隙あらば忍び込んでやろう」と企んでいる様子が見てとれるのです。
ジュリーさんがこの猫を抱き上げてみると、子育て真っ最中の母猫であることが分かりました。
そこで、まさかとは思いながら、その母猫を病院へ連れて入り、前日に保護した子猫たちに会わせてみたところ…
すぐさま子猫たちに駆け寄り、1匹残らず丁寧に舐めてあげるではありませんか!
子猫たちも「お母さんだ!」と言わんばかりに飛びつきます。
そして、やっと安心した表情になった母猫は、子猫たちにミルクを与え始めました。
ジュリーさんは言います。「親子なんだって、すぐにピンと来たわ。私たちが子猫を保護した時には、近くをうろついていたんじゃないかしら。可哀相に…我が子の行方を、一晩中探し回ったのでしょう。」
母親の勘と執念によって無事に再会できた5匹の猫たち。嬉しいことに、この猫の家族は、少し前に飼い猫を天国へ送り出したばかりのスタッフが、全員一緒に引き取ることになりました。
毎度のことながら、動物の深い母性に感心させられます。みんなで一緒に暮らせるようになって良かったね。