たまごはん【情緒と行間のスペシャルTKG】 (@tamago_haaaan)さんが投稿した、高校時代のエピソードに注目が集まっています。
高校の時、『芥川龍之介の「羅生門」の続きを書け』という課題が出た。
この話は最後、主人公である下人が悪人になって終わる。
その続きとなると、下人が改心するか悪人のままでいるかのどちらかを書くことになる。
周りの何人かに聞いたところ、改心するパターンで書く、という人が多かった。
— たまごはん【情緒と行間のスペシャルTKG】 (@tamago_haaaan) June 2, 2022
(そりゃそうだよな、そっちの方が書きやすそうだもんな…)
当時みんなと同じが嫌だった私は、あえて改心ラストを選ばず、悪人のまま終わらせることにした。
書き上げて読み直してみた。
よく書けたと思った。
国語の先生が生徒たちの書いたものを読み上げながら講評をくれる時間が待ち遠しかった。
— たまごはん【情緒と行間のスペシャルTKG】 (@tamago_haaaan) June 2, 2022
いよいよその時間がやってきた。
次々と作品を読み上げていく。
私の作品を読んだ先生は「すごくいいね」と褒めてくれた。
みんな同じような文章の中で、自分の書いた文章が頭一つ抜きん出ているように思えた。
最後のほうで先生が「これもよく書けてる」と言って、ある生徒の文章を読み始めた。
— たまごはん【情緒と行間のスペシャルTKG】 (@tamago_haaaan) June 2, 2022
それは下人が夜の中を駆けていく風景の描写から始まり、途中で心を改め羅生門に戻ったところ、その下で老婆が亡くなっている姿を見て呆然とする、という内容だった。
私がみんなと同じだからと避けた改心ラスト…
それが雨の描写を効果的に使いながら生き生きと書かれていた。
— たまごはん【情緒と行間のスペシャルTKG】 (@tamago_haaaan) June 2, 2022
ああ、負けたと思った。
こういうものは勝ち負けではないのかもしれないけれど、その時の私は確かにそう感じていた。
本当に書ける人というのは、みんなと違うものを書くわけじゃない。
同じシチュエーションで書いてもその差がはっきり出るんだ。
あの時ほど実力の違いを感じたことはない。
— たまごはん【情緒と行間のスペシャルTKG】 (@tamago_haaaan) June 2, 2022
なるほど…。
際立つ非凡さ
なんともハッとさせられるお話です。
これほんとそうなんだよね。昨今のなろう系のテンプレ物語でも、力のある人はテンプレのままものすごく読ませる物語を書く。弘法筆を選ばずってこういうことだなって思った https://t.co/doCLvxcdIa
— mitsuhiro (@mitsuhiro_etc) June 3, 2022
奇をてらわずしてオリジナリティが出せる人こそ、真の実力者なのかもしれませんね。
関連:授業で一番間違え珍解答を言う生徒が、クラスに与えた影響は…
みんなの反応
●文章にしても絵にしても音楽にしてもダンスとかにしても、本当に同じ題材なのに輝きが違いますよね本物の方は
●それ自分もやりました。書き終えて見返して、面白くないと感じたことだけ覚えてます
●素晴らしい授業だし、素晴らしい学び
●人を惹き込む、このような文章がかけるたまごはんさんに、私は実力の違いを思い知らされました
考えさせられる呟きに、他のユーザーからも大きな反響が寄せられていました。