「聾家族だった私は…」
そんな書き出しから、Kazue Kawabuchi (@kazueDEAF)さんは以下のようなエピソードを投稿しました。
聾家族だった私は食事タイムは手話でのおしゃべりが楽しく、時には3時間を超える時もあった。親はおしゃべりだけでなく、最低限のマナーを守り行儀良く食べること、聴社会ではこれは不信感を持たれるらしいから外ではしないように、とも教えてくれた。そんなある日、旅先で難聴者と意気投合し
— Kazue Kawabuchi (@kazueDEAF) December 15, 2021
うちんちに泊まりにおいでよ、と約束し夏休みに入ってすぐに泊まりに来た。彼女は祖母手製のお好み焼きを食べながら泣いた。「ここでは上手に発音することも、咀嚼音に気を使いながら食べることもない。自由が嬉しい」と泣いた。読話のために家族の口元に集中するあまり、ご飯の味は全くしなかった、と
— Kazue Kawabuchi (@kazueDEAF) December 15, 2021
今日、食べたお好み焼きの味は生涯忘れない、と彼女は泣きながら、そして笑いながら平らげた。彼女の親から「発音が劣るから」と禁止された手話を彼女はこっそり自学していたので、たどたどしい手話ながらも私達聾家族といっぱい会話をした。生きるヒントをもらった!と吹っ切れた顔で彼女は帰った。
— Kazue Kawabuchi (@kazueDEAF) December 15, 2021
やがて彼女は海外へ飛び出していった。英文学を学びたい、という彼女には留学の夢があった。聴者のように振る舞うことを強いるのに、夢に対しては「英語?留学?聞こえないから無理でしょ」「手に職を」とこの時だけ「障害」を持ち出した親に対し、「親の都合で、私は健常者になったり障害者になったり
— Kazue Kawabuchi (@kazueDEAF) December 15, 2021
ねえ、私はどっちなの?私はどっちみち聞こえないんだよ、聴力も衰えてきている。補聴器ももはや役に立たなくなったんだよ、ねえ、知ってた?」と反抗した。彼女にとって「初めて」の反抗だった。今、彼女は海外で聾男性と結婚しお子さんもいる。時々送ってくる葉書には「ちゃんとご飯の味がする生活を
— Kazue Kawabuchi (@kazueDEAF) December 15, 2021
送っています。」と添えられてあった。それだけでわかる。きっと楽しく幸せに過ごしているだろう。お好み焼きを見る度に遠く離れた彼女のことを、おもう。
— Kazue Kawabuchi (@kazueDEAF) December 15, 2021
思わず目頭が熱くなるお話です。
人生の転機
きっとKazueさんご家族との出会いが、その女性の生き方を変えるきっかけになったのでしょう。
健常であることは認識を狭めることでもあるのかもしれない。「親の都合で健常者にも障害者にもされる。」確かに、僕らは無意識に障害を持つ方の限界を決めつけてるのかもしれない。人の生き方を誰かが左右するなんて出来ない。行動した結果素晴らしい人生を手にした方には尊敬の念しかないです。 https://t.co/sDvxXnQxJZ
— ハム (@U2rm41vNwB5AgpP) December 16, 2021
人と違うことを理由に、我慢を強いられるのではなく…
誰もが自分らしい人生を選択できる世の中であってほしいものです。
関連:『障害に対する励まし』を有難く受け取りたい一方で思うのは…
みんなの反応
●言葉にすると軽くなりそうだけど………泣いた
●いい話…ではないよね、彼女に味がしない食事を強いたのは、彼女の家族だけじゃなくて、私たちが作る社会ですものね…。幸せになる道を切り開いた彼女は凄い
●聾者が普段どういうことを気にして生活していると考えたことがなかったけれども、このお話で知り、ためになったし、何か胸に込み上げるものがありました
●いろんな人がいて、みんながそれぞれの幸せを手に出来ますようにと、心から祈ります
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