アメリカ・フロリダ州の路上で、生後7か月とみられる猫と、2歳くらいのダックスフント犬が発見されました。住宅の門の前に置かれた箱の中で、ピッタリと寄り添いあう2匹。
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■猫をかばうダックスフント
危険がいっぱいの路上から保護しようと、動物管理局の職員が2匹に近づいていきます。
すると、ダックスフントは猫をかばうように職員に立ちはだかり、激しく吠えだしました。
何があっても猫から離れようとしないダックスフント。職員が、怯えたように大人しい猫を覗き込んでみると…
なんと、4本全ての足が麻痺していることが分かりました。
這うように少し体を動かすことは出来ますが、歩くこともままなりません。そんな不自由な友だちを守るために、ダックスフントはかたくなに猫の傍から離れようとしなかったのです。
■無事に保護。治療を試みるも…
間もなく無事に保護された2匹は施設に引き取られ、猫はルーシー、ダックスフントはイギーと名付けられました。
保護されたとき、目立った汚れもなく、栄養状態も悪くなかったとのことで、誰かに捨てられて、まだそれほど時間は経っていないようでした。
とはいえ、ルースは自力で立ち上がることもできません。「何とかできないか」と考えた施設スタッフたちは、ステロイドの投与や鍼の治療などを試みました。
しかし、残念ながら効果はあらわれません。そのうえ、いつも傍にいたルースが度々治療に連れて行かれるのを心配したイジーが、落ち着かない様子を見せるようになってしまいました。
■特別にいつも一緒にいられるようにしてもらった2匹
「2匹にとって一番良い環境は、2匹が一緒にいること」。そう悟った施設側は、通常猫と犬を分けて管理するところ、特別に一緒に過ごせる空間をつくってあげました。
そして2匹を同時に引き受けてくれる里親が名乗り出てくれるまで、温かく見守ることにしたのです。
▼2匹の様子はニュースにもなりました。
2匹で1匹、と言わんばかりに、どんなときも決して離れようとしないルースとイジー。自由にどこへだった行けるはずのイジーですが、捨てられた時もルースを残して離れることはしませんでした。
お散歩をするときは、猫用の車いすにルースを乗せて、イジーがそれを引っ張ります。これなら一緒にいられるだけでなく、ルースも歩く感覚を味わいながら外の世界を満喫することができますね!
動物愛護団体のブルームさんは「今までも犬と猫の友情を見たことはありますが、これほどまでのものは見たことがありません」と感心したように語ります。
未だ引き取り手が見つかっていない2匹ではありますが、一緒に居られるだけで不安が取り除かれているのではないでしょうか。決して引き裂かれることなく、ともに幸せを歩んでいって欲しいですね。
2匹の様子は保護施設のFacebookページにて紹介されています。