『コロナで解雇だと言われたら…』
そんな書き出しから、弁護士の深井 剛志(@TSUYOSHIFUKAI)さんは以下のような注意喚起の呟きを投稿しました。
コロナで解雇だと言われたら、退職届は書いてはダメ
コロナで解雇だと言われたら、退職届は書いてはダメ
コロナで解雇だと言われたら、退職届は書いてはダメ
書いてしまったという相談、本当に多い#大切な事なので3回言います
— 深井 剛志 (@TSUYOSHIFUKAI) January 18, 2021
解雇を通告されたときに、退職届を書いてはいけない理由としては、多くの方が指摘していますが、失業保険の給付期間と、給付されるまでの待機期間に影響するからというものがありますが、もっと根本的な問題は、不当な解雇であった時に、争うことが困難になるからです。
— 深井 剛志 (@TSUYOSHIFUKAI) January 18, 2021
解雇は、会社から労働者に対する一方的な労働契約の解約です。一方で、退職届を出すというのは、労働者からの解約で、辞職といわれます。解雇は、会社からの意思表示ですが、それに対して退職届を出すということは、後で裁判になったときに、会社を辞めることに同意していたと捉えられてしまいます。
— 深井 剛志 (@TSUYOSHIFUKAI) January 18, 2021
また、会社が退職届を書かせるのは、解雇ではなくて、辞職であるとの外形を作り出すためであるということも多いです。法律上、解雇は厳格な要件がないとできません。そのため会社は、後に解雇無効とならないように、解雇ではなく労働者からの辞職であるという体裁を作るために、退職届を書かせます。
— 深井 剛志 (@TSUYOSHIFUKAI) January 18, 2021
そして、裁判や労働審判になったときには、会社は、本件は解雇ではなくて、自主退職であるとの主張をしてきます。裁判所としても、退職届という動かしがたい書証があるので、本件は解雇ではなくて、辞職であるとの判断をしてしまいます。
— 深井 剛志 (@TSUYOSHIFUKAI) January 18, 2021
辞職と判断された場合に、それを覆すのは、容易ではありません。退職届を騙されて書いた(詐欺・錯誤)、脅されて書いた(脅迫)、などの事情を労働者が証明しないと、覆すことは出来ません。そして、その立証は非常に困難です。
— 深井 剛志 (@TSUYOSHIFUKAI) January 18, 2021
このように、解雇をされた場合と退職届を書いてしまった場合とで、後の裁判でのたたかいやすさが全く違うので、労働者は、退職届を書いてはいけないのです。
— 深井 剛志 (@TSUYOSHIFUKAI) January 18, 2021
解雇と言われたときに退職届を書いてはいけないのは、普段でも同様です。しかし、特に、このコロナ禍で、会社の業績悪化による解雇が横行していますが、雇用調整助成金などもあることから、そんなに簡単に解雇することは出来ませんので、それらの解雇は、不当解雇である可能性が高いと思います。
— 深井 剛志 (@TSUYOSHIFUKAI) January 18, 2021
大切なアドバイス…!
重要
なお、リプライ欄には実際の「体験談」も。
本当に書いては駄目ですよ、雇用保険が自己都合退社と成り、3ヶ月間支払われません。必ず会社都合にして下さい。私は4ヶ月一銭も貰えませんでした。
— ポットンピッポンさん (@quickdokidoki) January 18, 2021
無論、活用の機会がないことが一番ですが…
万が一に備えて、ぜひとも覚えておきたい知識ですね。
関連:『書いたら終わり』 社労士が語る「解雇時に絶対NGな行為」は
みんなの反応
●コロナじゃないけど、そんなときは離職票をもってハロワへ行ったとき「納得いかない」「退職届は強制的に書かされた」と事情を話して自己都合→会社都合に変えてもらったことがある
●退職願を書かないと処理できないと、人事に言われたなぁ…ほんと、あの会社の嫌がらせは陰険だったなぁ…
●私はコロナで契約更新できないと言われ、契約書を書くしかない状態にもっていかれました。解雇しておきなら、短期のアルバイトや派遣を雇っている会社許せないです
ハッとさせられるツイートに、他のユーザーたちからも大きな反響が寄せられていました。