医師のめにんご(脳外)(@PAPA_NEURO)さんは先日、奥さんの妊娠中に起こった「忘れがたいエピソード」を投稿しました。
妻が娘を身篭ったとき、僕は3日目の学会会場にいた。その日の昼頃、妻からエコーの写真が送られてきて妊娠が判明し、しかもつわりがひどく、綺麗好きの妻がこの3日風呂にも入れてなかったと。喜びと焦燥に駆られ学会会場を飛び出した10分後、上司から緊急手術の連絡があり、すぐに戻ってくる様にと。
— めにんご(脳外) (@PAPA_NEURO) August 14, 2020
僕は、「妻のそばにいても何もできないけど、妻はそばにいてほしいはずだ」と思い、上司には妻の調子が悪いと伝えて招集を断った。上司は結局他院の知り合いの医師を緊急招集して、手術をしたらしい。
— めにんご(脳外) (@PAPA_NEURO) August 14, 2020
ネットでつわりを調べて食べられそうなものを買い込んで自宅に到着すると、妻は暗い寝室で洗面器に吐いていた。心細かったであろう妻の第一声は「ごめんね、ありがとう」だった。正直に言うと手術に行くか妻の元に戻るか、少し葛藤はあった。妻の一言を聞いてそんな自分が大変情けなくなった。
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翌日、上司に「どうしてこなかった?女か?女なら許してやる。」と冗談まじりに詰問された。まだ安定してるわけでもないが、今後もつわりで調子の悪い妻をサポートするためには事実を言うべきと考え、「つわり」と伝えた。
— めにんご(脳外) (@PAPA_NEURO) August 14, 2020
上司は「それならしょうがない!!おめでとう!」とカラッとしたものだった。ただ「自分らの時代なら関係なく手術にいかなければだった。それが普通だった。」と。続けて「でも今はそう言う時代ではない。お前勇気あるな、俺の召集を断るなんてな。でもそれでいい。奥さんを大事にな。」
— めにんご(脳外) (@PAPA_NEURO) August 14, 2020
「妊娠中のヤラカシは特に妻は強く覚えてるからな、俺なんてもう還暦近いのにまだぶりかえされるぞ。」と忠言を頂いた。なぜかわからないが胸が熱くなり、この上司は大事にしよう、と思った。無事に娘が生まれたことを報告したときには、上等なお洋服を頂いた。
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素敵…!!!
変化の受容
自分の時代の常識を強要せず、部下の気持ちを理解してくれるのは、大変ありがたいことです。
いい上司に仕えられましたね。主さんの判断もベストチョイスでした。
— アメショのユキ (@kuroneko0618) August 15, 2020
誰もが家族を大切にし、周囲もそれを応援する。
そんな考え方が今よりもっと当たり前になっていくよう、心から願わずにはいられません。
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みんなの反応
●家族以上に大事なことなんて、この世に無いと思っています。もちろん、仕事で多くの人を助けておられ、それも大事なことですが、それでも家族が1番です
●「世の中は確かに変わってきている」と実感できる素敵なお話をありがとうございます
●そうそう、社会はこうでなくちゃ…!!
グッとくるお話に、他のユーザーたちからも大きな反響が寄せられていました。