目のないセラピードッグ『スマイリー』の物語を紹介します。
[ada]
公認セラピードッグとしてカナダ・オンタリオ州で暮らしているスマイリーには生まれた時から目がなく、光を知らずに生きてきました。また、幼少期を過ごしたパピーミル(ブリーディング施設)の環境も劣悪なものでした。
そんなスマイリーの人生を大きく変えたのは、1人の優しい里親 ジョアンさん との出会いでした。
目は完全に窪んだ状態で感染症にも苦しんでいたスマイリーは、周囲から安楽死すら進められるような状態でした。しかし、ジョアンさんはスマリーと出会った瞬間、「この子と共に生きていこう」と強く決心したそうです。そして、スマイリーの生命力を信じ、周囲の反対を押し切って手術に踏み切りました。
手術を無事に終えたスマイリーは元気を取り戻し、10歳になった今、公認セラピードッグとして障害を持つ人々の心を癒しています。
スマイリーがいるだけで、みんなの顔は一気に明るくなり、その行動すら変えてしまうのです。
施設暮らしを余儀なくされ、施設の職員にすら一度も笑顔を見せたことがなかった重度の障害を持つ患者が、スマイリーの顔を見た途端に笑顔を見せたり、
普段はじっとしていることのできない自閉症の子供が、スマイリーが寄り添っていると30分もの間じっと座って本を読み、母親を驚かせたりしました。
ジョアンさんと出会ったことでもう一度人間を信じてくれたスマイリー。今では自分と同じような境遇の人たちに、惜しみない笑顔と愛情を注いでくれています。
こちらはスマイリーが子どもたちと接する様子です。
自身に光が届かなくても、みんなを笑顔で照らしてくれるスマイリー。その優しい気持ちは、障害を抱える人々やその家族にとっての温かい太陽となり、そうして咲いた人々の笑顔はスマイリーを囲んでいます。