特別な助けを必要とする子どもたちと、サービス・アニマル(介助犬など、人の補助を行う動物たち)との懸け橋となってきた非営利団体「4 Paws for Ability」。
そのFacebook公式アカウントに先日投稿された1枚の写真に、大きな注目が集まっています。
写真に写っているのは、団体に所属する介助犬・トルネードと、そのお腹を枕がわりにして寝そべる少年、そして彼らの後ろで口を押え、嗚咽を必死にこらえる少年の母親、シャナ・ニーハウスさんです。
なぜ彼女は泣いていたのか。なぜ彼女は泣き声を押えようとしていたのか。
投稿に添えられていたニーハウスさん自身のコメントの中で、その理由が明かされていました。
これは、自閉症に苦しむ私の5歳の息子が、新しい介助犬・トルネードのそばに初めて座ったときの写真よ。
彼はこの瞬間のために、海を越えて、いくつもの州に寄って…。やっとの思いで、ここにやってきたの。着くころにはもうくたくたで、この部屋に入るまで、2、3時間は休憩をとったわ。
息子は、誰よりも強い子よ。彼は今まで、彼のことを理解しようとしない人たちから、無知で礼儀知らずな振る舞いを散々受けてきた。他の子と違うからという理由で、評価すらしてもらえないこともあった。
この写真は、そんな息子を見つめる母親の顔を写し出しているの。
私がハグするのも、体を洗うのも、服を着せるのも…、寄り添ったり、触れたりすることも嫌がるような息子が、自分の意志で、トルネードに身体をくっつけていったのよ。
これは、友達を作ろうと遊び場に行って、何度も何度も失敗してきた息子を見る母親の顔なの。
1人だって、友達はいなかった。外の世界とのつながりなんて、一切なかった。
必死に自閉症のセラピーに行って、頑張り続けてきたのに、家族以外と深い関りを持てない彼は、毎晩涙を流してたわ。
私はずっと、そんな彼の横に座ってた。でもこの時は、彼の後ろに座って、声を出さないように口を押えながら、静かに彼のことを見てた。
泣いてることがばれたら、この純粋で、素直で、とっても充実した彼の自由な時間を、邪魔してしまうと思ったの。
この絆は魔法よ。この素晴らしさは、語りつくせないわ。
私は、何度も何度も、息子を想って涙を流してきた。
でも、こんなに美しい理由で泣いたのは、これが初めてよ。
これから私は、息子の後ろに立って、彼を見守っていく。彼の横には、トルネードが付いていてくれるから。
また涙は流すと思うけど(笑)、そのことに、感謝しなくちゃね!
この投稿には、多くのユーザーから、息子さんとトルネードの出会いを祝福するコメントが寄せられました。
●私も泣きながら言う! ありがとう、トルネード!
●これからは、もっともっと、たくさんのうれし涙が待ってるわ!
●あなたと、あなたの息子と、フワフワの新しい家族に幸あれ
大切な家族として、そして、心を許せる「初めての友達」として。
少年とトルネードの絆は、これからますます、深まっていくことでしょう!