父親にとって、最愛の娘の結婚は、寂しさと喜びが複雑に入り混じるもの。作家兼スポーツコラムニストのポール・ドーアティさんも、そんな場面を迎えた父親の1人でした。
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娘のジュリアンさんが、10年間交際を続けていた男性ライアンさんと結婚する運びに至ったのです。
2人の新しい門出を祝う結婚式は、今年の6月27日に催されました。
当日も朝から準備に追われ、着替えやヘアメイクにと忙しそうなジュリアンさん。その間に、父親のポールさんは娘への想いを込めた手紙を綴ったのでした。
溢れ出す愛情が、美しい言葉で綴られた娘への手紙。ポールさんは、病気や障害を抱える人々の生きる強さを伝えるサイト「The Mighty」にその内容を投稿しました。一部抜粋にてご紹介します。
親愛なるジュリアンへ
ダウン症を持って生まれてきた女性が、愛する人と結婚できる望みは本当に少ないと思っていたよ。実はすごく心配していたんだ。でも、きみはそのハードルに打ち勝った。
きみが12歳のとき、「友達がいないの」と打ち明けてくれた夜があったね。あのときは、心のなかで涙が止まらなかった。でも、きみは自分の力で、友達をつくる方法を自然と身につけていったね。
ダウン症だからという理由で色々なことを諦めさせたくはない、と考えていたポールさんは、ジュリアンさんが生まれてから親としてできる限りのサポートをしてきました。
しかし、他の子どもたちが娘のことを認めてくれ、友達になってくれ、社会という大切な場で娘の味方になってくれるか、ということについてはどうすることもできなかったと言います。
そんな心配を知ってか知らずか、娘のジュリアンさんは、幼心で葛藤に打ち勝ち、自らの力で人々を魅了していったのです。
いつしか、彼女の周りにはたくさんの友達が集まり、心から愛してくれるパートナーにも巡り合っていました。
いつだったか、「この子は自転車にも乗れない、スポーツもできない。カレッジにも行けないだろうし、結婚なんて到底できやしない。」と言われたときのことを覚えているかい?ところがどうだろう!きみにできないことなんて何もなかったんだ!
今、お父さんの目の前には、純白のドレスに包まれたきみの姿がある。とても綺麗だよ。これから新しい夢の入り口に立つんだ!
この手紙がFacebookで公開されると、世界中から祝福のコメントが寄せられました。そして、ダウン症のみならず様々な病気を抱える子どもを持つ親たちの大きな希望となったのです。
障がいがあるからといって、できないということはない。そのことを、自らの生き方で証明したジュリアンさん。心からの称賛と祝福の気持ちを贈りたいと思います。