夏になると「子どもやペットが車内に放置されて熱中症に」というニュースをよく聞きます。その時、果たして車内はどのような状態になっているのでしょうか?
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獣医師のアーニー・ウォードさんが、実際に夏に車内がどのような状況になるのかを、自ら体験してみました。気になる実験結果を見てみましょう。
ウォードさんが実験に使った車は、完全にエンジンとクーラーが停止しており、前後の窓は少しだけ開けている状態に。そしてウォードさん自身がペットとして車内に入ります。
タイマーをスタートさせ、早速温度計を見ると、車内はすでに摂氏34.4度。
ちなみに車外の気温は35度と、車内とはそれほど変わりません。
そして、5分後、車内の気温は3.3度も上がり、37.7度に。息がつまるような暑さです。
10分経つと、車内の気温はついに40度に。ほぼ耐えられないほどの暑さになってきました。
外では確かに風が吹いているのが見えるのですが、中に風が入ってくるはずもありません。
実験開始から30分後、なんと気温は46度に!
ウォードさんも体中汗でびっしょり。
ほんの30分間の間に車内の気温は12度近くも上がってしまいました。46度なんて普通に生活していたら、まず経験することのない温度です。「ほんのちょっと」が、いかに危険かが良く分かります。
子供やペットと違い、ウォードさんのように大人の場合は、もしこのような状況になったとしても、状況を自分で変えることが出来ます。暑かったら窓を開けたり、少し車の外に出て涼んだり出来ます。
しかし、ペットは暑いからといって外で涼むことなどできません。危ないから絶対に車の外に出ちゃダメと言われた子どもは、車の中でじっと我慢してしまいます。
これから暑い季節になりますが、「ほんのちょっと」などという考えが命取りになることを、改めて肝に銘じたいと思いました。