書店員の波多野彩夏 (@hatano_ayaka)さんは先日、職場で体験した『ちょっと嬉しかったこと』をめぐる呟きを投稿しました。
今日、ちょっと嬉しいことがありました。休憩中に、「文庫に詳しい方を呼んでほしい」って言われてるって呼ばれて。
「東野圭吾のシリーズで、刑事から探偵になったもので、11月に文庫化するって新聞の広告で見た」とのことで、スタッフ総出で検索してたらしく。
— 波多野彩夏 (@hatano_ayaka) 2019年11月18日
同僚「探偵ガリレオのシリーズでもないし、加賀恭一郎のシリーズでもないし。東野圭吾で検索しても、アマゾンで調べても11月に出る文庫なんてないし」
ここで完全に手詰まりになったらしくて、休憩中の私を呼んだらしく。
— 波多野彩夏 (@hatano_ayaka) 2019年11月18日
私「他に、何か言ってますか?」
同僚「お金持ちの女の人と結婚してたけど、別れて探偵になったとか」ここで、ピンときました。
私「東野圭吾じゃなくて、文春文庫から出てる宮部みゆきの杉村三郎のシリーズです」
お客さまのところへ行き、「こちらのシリーズではありませんか?」
「これだわ!」— 波多野彩夏 (@hatano_ayaka) 2019年11月18日
お客「いやだわ、私ったら、東野圭吾じゃなくて宮部みゆきだったのね。休憩中だったのに、ごめんなさいね」
私「いいえ、時間をずらして取りますから大丈夫ですよ」
このあと、思いもがけないことを言われました。
— 波多野彩夏 (@hatano_ayaka) 2019年11月18日
「以前も、あなたさまに本を見つけていただいたのよ。ずっとお見かけしなかったから、『文庫に詳しい方を』ってお願いしたの」
私が台風19号で床上浸水して、2週間以上職場に来れなかった間。書店で、私を待っていてくれたお客さまがいたことが、とても嬉しかった。
— 波多野彩夏 (@hatano_ayaka) 2019年11月18日
これは嬉しい…!(*´艸`*)
『また聞いてもいいかしら』
書店員冥利に尽きる出来事ですね!
そのお客さまには、杉村三郎シリーズの文庫は去年出た文春文庫の『希望荘』が最新のものであることと、単行本の『昨日がなければ明日もない』の文庫はまだなことを伝えました。何でも入院されていたらしく、本を読む気分じゃないときでも、このシリーズなら読めると思ったそうです。
— 波多野彩夏 (@hatano_ayaka) 2019年11月18日
単行本だとやっぱりお値段もそこそこだし、「どのくらいで文庫化するのかしら」と聞かれたから、「早くても2年ほどで、だいたい3年くらいです」ってご案内したら。「図書館も考えたんだけど、家族に言われるのよ。母さん、図書館じゃ作家の応援にならないから、本屋で買わなきゃ」って。泣けた。
— 波多野彩夏 (@hatano_ayaka) 2019年11月18日
結局今回は単行本をお買い上げにはならなかったんだけど、「また、わからなくなったら聞いてもいいかしら」と言われたので、名札を見せて、「いつでもお問い合わせください」とお見送りしました。もちろん、売り上げになった方がいいに決まってるけど。あのお客さまが、また来てくれるのを待ってます。
— 波多野彩夏 (@hatano_ayaka) 2019年11月18日
接客という垣根を少しだけ越えた所にある、『本を愛する者』としての信頼と親しみ。
素敵な関係性が今後も末永く続いていくよう、願わずにはいられません(*´∀`*)
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みんなの反応
●こんな店員さんがいる本屋さんにいきたい
●すごいなあ。ミステリー作品のソムリエってところかな。検索キーワードをひとつ間違えていても辿り着いた
●こういうひとたちに支えてもらって、私たちの作品は読者の手に届けられるんだ。嬉しくて、ありがたくて、頭が下がる
グッとくるお話に、他のユーザーたちからも大きな反響が寄せられていました!