アメリカ・ウェストバージニア州に住むルビン夫妻のもとに、待望の赤ちゃんが生まれました。
名前はリリアン。
妊婦検診の際も異常は見られず、ママになるハイディ・ルビンさんと旦那さんは、彼女のためにお部屋や着るものを用意したりと、その誕生を本当に心待ちにしていたそうです。
リリアンちゃんが生まれてからというもの、ルビン夫妻の生活は幸福に満ち溢れていました。
そんなある日、ふとリリアンちゃんを見ると、何だか元気がありません。
ハイディさんは、「小児科に連れて行って先生に診てもらえれば、すぐ良くなって家に戻れるわ」と、彼女を病院に連れて行きました。
しかし…
診察した医師は、ルビン夫妻に辛い結果を伝えます。
リリアンちゃんは「血管肉腫」という、非常に稀なガンに侵されていました。
この病気は進行がとても早く、リリアンちゃんの場合も発見時にはすでに全身へ転移している状態だったといいます。
そして治療という治療も行えぬまま、がんと診断されて3日後…。
生前中賜りましたご厚誼に感謝いたします。
娘と過ごせた6週間は、本当に短いものでした。
リリアンがあまりにも早く逝ってしまったから、この世に足跡も残させてやれませんでした。
両親が綴ったFacebookの投稿は、深い悲しみに満ちていました。
両親にとっては辛すぎる、未使用の遺品整理。
ベビー服や赤ちゃん用品の片づけは、ルビン夫妻の両親が引き受けてくれました。
そして、その片付けが終わるころ…
リリアンちゃんが亡くなってから食事をとっていなかった夫妻は、「何か食べなければ」という思いで「Applebee’s」というレストランに向かいます。
でもすぐにリリアンのことを思い出し、涙がこみ上げてきて。
トイレに駆け込み、そこで泣き崩れてしまいました
すると、1人のスタッフがすぐにやってきて、「いかがされましたか」と尋ねました。
「どうぞ、思いっきり泣いて大丈夫ですよ」と胸を貸してくれたんです。
そして、私が落ち着きを取り戻すまで、ずっとそばにいてくれたのです。
優しい気遣いのおかげでトイレから席へと戻り、食事をとることができたハイディさん。
そして、レストランを出ようとしていた時…
私をぎゅっと抱きしめてくれて、お悔やみを言ってくださったんです。
同時に、彼女は一枚の「手紙」を渡されました。
そこには
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私たちには、あなた方が抱えている苦悩がどれほどのものか、そのすべてを知ることなど到底かないません。
それでも、とても悲しいことだけは、痛いほど見てとれました。
今日のお食事は、私たちからのお気持ちです。娘さんのご冥福をお祈りしております。
Applebee’sスタッフ一同より
それを見ていたバーテンダーさんも「悲しみを分かち合わせてください」とハグをしてくれて…
私は涙ながらに、「ありがとうございます」としか言えませんでした。
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他者の温もりは、闇の中にいたルビン夫妻にとって、一筋の光となりました。
計り知れない悲しみを感じていた中で…
彼らの思いやりが、「あなたは孤独ではない。一緒に悲しみを分かち合いましょう」と励ましてくれました。
我々は皆、誰かと共に生きている。
その事実は…どんな困難をも打ち負かしうる、素晴らしい可能性を秘めているに違いありません。