8月24日、現地時間の午前3時36分。最低でも390人が負傷、290人以上がなくなるというマグニチュード6.2の大地震がイタリア中部で起こりました。
多数の家屋が倒壊し、瓦礫の中に閉じ込められてしまった人たちの捜索が、いまだに続いています。
一人でも多くの命を救おうと奮闘していた消防隊員たちが、10歳のジュリア・リナルドちゃんとその妹ジョルジャ・リナルドちゃんを発見したのは、地震が発生してから16時間が経った頃のことでした。
しかし、命を救うことができたのは妹のジョルジャちゃんだけ。姉のジュリアちゃんはすでに息絶えてしまっていました……。
2人で巻き込まれたのに、なぜジュリアちゃんだけ亡くなってしまったのか。
駆けつけた救急隊員たちは、その光景に打ち震えました。
ジュリアちゃんは、ジョルジャちゃんに覆いかぶさり、彼女を瓦礫から守ろうとしていたのです。
その後27日に行われた犠牲者35人を弔う合同葬儀では、ジュリアちゃんの棺の側に、消防隊員の1人、アンドレアさんからの手紙が添えられていました。
瓦礫という名の監獄からきみを救い出そうと、手を伸ばすので精いっぱいだった。辿り着くのが遅くなってしまったことを許してほしい。
きみを見つけたときにはもうこの世を去った後だった。それでもどうか、私たちが最善を尽くしたということを知っておいてほしい。
ラクイラにある自宅に戻ったら、空の上から私を見守っていてくれる天使がいてくれることを思う。夜にはきらきらと輝く星になるんだろうね。
さようなら、ジュリア。きみが私を知ることはないけど、それでも私はきみを愛しているよ。
救われたジョルジャちゃんと同じく、ジュリアちゃんにも、この先輝かしい未来が待っていたはずだったと思うと、胸が苦しくなります…。
わずか10歳にして、妹をかばい天国へと旅立った優しいジュリアちゃんは、きっと今も、ジョルジャちゃんや家族を見守ってくれていることでしょう。