ロシア・セルプホフの歴史美術館の周りに、赤茶色の迷い猫が住んでいました。
2014年頃にこの地に現れた彼は、まるでドアマンのように、美術館を訪れた人たちに挨拶をしながら一日を過ごしていました。
美術館の職員たちは、最初はこの猫がずっとこの地に留まっていることに驚いたそうですが、そのうち、猫好きだった前のオーナーの名前(アンナ・マラエヴァ)にちなんで、猫をマレイと名付けました。
「職員はみんなマレイが大好きでしょうがないの。マレイの食べ物を家から持ってきたり、一緒に写真を撮ったりする人もたくさん。だからマレイは少し太っちゃった! 美術館に来た人からも大人気で、みんなマレイと自撮りを楽しんでるよ」と話すのは、ニーナ・ストレルコーヴァさん。
ここ何年かは、マレイは非公認のドアマンとして美術館の正面玄関に立ち、訪問者をお出迎えしています。
そんな折、エイプリル・フールに、ある職員が面白いネタを思いつきました。
それは、マレイに代わって就職の応募書類を提出し、マレイを美術館で正式雇用してもらおう、というジョーク!
そのお茶目な応募書類がこちらです…!
志望動機:ぼくは前オーナーのマラエヴァの息子みたいなもんなのだから、美術館で正式に雇ってほしいニャ。 猫のマレイより
しかしメディアの勘違いにより、このエイプリル・フールのジョークは「まじめなニュース」として報道されました。ジョークはテレビやネットを通じて広がり、マレイの雇用形態について取材にくるメディアまで現れたのだとか(笑)
そして、ニュースを見た地元の人々からは、猫の採用についての問い合わせが山のようにきました。
その結果、あまりの反響に「嘘でした」と言えなくなってしまった美術館は、マレイをドアキャットとして正式に採用。お給料はエサとおやつ、そしてたくさんの愛情で支払われることになりました!
さらに、小さなテントの寝床も彼に与えたのです。
こうして、マレイは今日も美術館でドアキャットとして働いて(?)います。もしかしたら、最初からすべてがマレイに仕組まれていたりして(笑)
これからも美術館のドアキャットとして、愛情いっぱいに可愛がられ、訪問者を愛らしくお出迎えしてほしいですね。