米フロリダ州マイアミのある道路の角。青いビニールシートがかけられたダンボールの中に、1匹の犬が住んでいます。
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数日前、小雨が降るなか、ブランケットと飲み水と一緒に捨てられたこの犬。その場所を離れようとしないことから、元の飼い主が戻ってきてくれると信じきっているようでした。
近所の住民がダンボール箱を置いたところ、その中へ入ったので、とりあえず雨をしのげるようにとブルーシートをかけてあげました。
自宅に入れてあげようとする人もいましたが、近づくと、唸ったり、その場から逃げたりするため、極力ストレスを与えないよう、ブランケットを置いて見守ることにしたそうです。
その後、ジュリアンさんを始めとする心優しい住民たちは、毎日犬に会いに行き、ご飯をあげて、何とか自分たちを信頼してくれるよう努めています。
動物管理局に連絡をすると処分される可能性が高く、付近の動物愛護団体で取り合ってくれるところも見つかっていないため、近所の住民たちが協力して、すべての面倒を見ているのです。
次の目標は、病院に健康診断をしに連れていけるように、クレートの中に入ってもらうことなのだとか。
ジュリアンさんたちはプロのレスキューではありませんが、以前にも同じように犬の支援をしたことがありました。この近所は、オーバータウンと呼ばれる、ドラッグ、犯罪、闘犬が盛んな地域と面しているからか、酷い扱いを受けた犬が、ときどき彷徨ってくるのです。
2014年には、首や体が引き裂かれてボロボロにながらも闘犬場から逃げてきた犬のチャーリーを、住民一丸となって世話しました。そして、その1週間後には、新しく飼い主になってくれる人を見つけ出したのです。
「すべて自費で行っています。私たちは、ただ犬が好きなだけなんです。寄付などは受け取っていません」というジュリアンさん。
責任があるわけでもないのに、犬を放っておくことなく、親身になって行動する住民たちに頭が下がります。
無事に幸せな家庭に引き取られたチャーリーのように、今回の犬にも、早く新しい飼い主さんが見つかりますように。