速度 (@No343D55)さんが投稿した、高校時代のエピソードに注目が集まっています。
【思い出】
高校三年の時、ヤンキーの友達がいた 美術部だった自分とは接点があまりないはずだったが、なぜか気が合った
ある日彼が本をちゃんと読んでみたいというので、ヘルマン・ヘッセの『車輪の下』を貸した ページも少ないしすぐ読み終わるかと思っていたけれど、本は数ヶ月帰ってこなかった→— 速度 (@No343D55) January 10, 2024
受験を控えていた自分は忙しく、卒業後就職予定の彼とは自然に遊ばなくなっていった 本のこともすっかり忘れていた
ある日予備校から帰る夜に、彼から久しぶりにメールが届いた
そこには一言、「ハンス死んだんやけど」
と書いてあった
→— 速度 (@No343D55) January 10, 2024
最初は何のことかわからなかったけど、少し記憶をたぐり寄せて、その言葉の意味に行き着いた
彼は車輪の下を読み終わったのだ
確かにこの小説の終わり方は当時の自分にも衝撃的だった 、物語のセオリーも寓話的な態度も会得していなかった自分たちにとっては
そしてそれよりも彼の一言の手触りは→
— 速度 (@No343D55) January 10, 2024
ショッキングで、固かった
彼がハンスを自分と重ねたかどうかはわからない 友人としていたかもしれないし、まったくの消費者だったかもしれない
ただその時自分が感じたメールの感触は、彼が多くを語らなくても、驚き、うろたえていることがわかった
彼の人生にハンスの死が刻まれたのだ→
— 速度 (@No343D55) January 10, 2024
その後、しばらくメールはこず、時間が経ち、卒業式の周辺でやっと本が帰ってきた
彼はいつもの陽気なヤンキーに戻っていた
おわり
— 速度 (@No343D55) January 10, 2024
ただの思い出なので特にこれを読んだ人に伝えたいこととかはないけれど、こうした経験の中で、自分や彼のように属性や性格が全く違う他者の中にも、ハンスの死のような物語によってもたらされた衝撃があるかもしれないと想像するようになった 「ハンス死んだんやけど」を吐き出した美しさがあるかもと
— 速度 (@No343D55) January 10, 2024
今も期待を捨てないでいる
— 速度 (@No343D55) January 10, 2024
なるほど…。
たしかに揺れ動いた感情
文学の力を感じさせるお話です。
分かる
最初、読書感想文の為に借りて読んで衝撃を受け、読み込む為に購入もした「車輪の下」
ラストは本当に衝撃的だった
「人間はこんなにあっさり死ぬんだな」
と中学生ながら思ったもんだ今の死生観はその時に土台が出来たんだと思う https://t.co/9zOySEGscO
— ちぇば🐤🍨@Team∞ (@chevariel358) January 11, 2024
たとえ一瞬の出来事だったとしても、物語を読んで受けた衝撃はきっと彼の中に何かを残したのではないでしょうか。
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みんなの反応
●この感覚はすごくわかる。衝撃の共有に期待してしまう
●学も無ければ普通の感性を持ち合わせてるのかすら疑わしい人種が、物語の結末やキャラクターの死に慄き悲しんで影響を受けた事に、創作物の底力というか揺さぶられるようなものを感じたな
●作品を読んであれこれ考えて言う感想も良いけど、こういうふうに率直に出てくる、謂わば丸裸の感想もすごく大事にしたいな
●美しい話だ。煌びやかでも華々しくも無いけど、今までにない感情の微かな揺れ動き。文学的な静かな美と悦び
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