「以前、市民講座でコンクリート製の仏像について話をしたら……」
そんな書き出しから、Ayako Kimishima(@kimi_aya_)さんは以下のような呟きを投稿しました。
以前、市民講座でコンクリート製の仏像について話をしたら、聴講者の方から「あなたの話は面白いが、国立博物館で本物の仏像を見て学んだ方が良いですよ」とのご意見をいただいた。
私が「一応、東京国立博物館でご案内の仕事を13年間やっていました」と答えたら、「失礼しました」と帰ってしまった。— Ayako Kimishima (@kimi_aya_) September 27, 2023
問題は「本物の仏像」とは何かということだ。その方にとって「本物の仏像」とは、国立博物館に展示されているような文化財の仏像なのだろう。私は素材や制作時期に関わらず、僧侶によって開眼された仏像が「本物の仏像」だと感じでいた。
私の職務経験などどうでもよく、そこを説明すれば良かったな。— Ayako Kimishima (@kimi_aya_) September 27, 2023
「本物の仏像」と何か?という問いに正解はないのは当然なのだが、何をどうして「本物」だと感じているのか、その感情そのものが考察の対象になる。
伝〇〇作と伝わる明らかに時代や作風も違う仏像だって、偽物だと決めつけてしまえば信仰の文脈が見えなくなってしまう。
— Ayako Kimishima (@kimi_aya_) September 27, 2023
そんなことが……。
釈迦に説法
なお、リプライ欄にはこんなコメントも。
“本物の仏像”って何でしょうね🤔
歴史性や仏師、希少性、美的感覚などに価値観をおいてしまうと、それは信仰と対象から美術品になってしまう。(例の九博の動画に批判が出たのはここが問題視されたんですよな)。
信仰され拝まれているなら、どんな尊像でも“本物の仏像”といえるはずです。 https://t.co/aSWf7HF65G— 僧職系男子 (@gen5421) September 29, 2023
講師を務める相手に対し「学んだ方がいい」という上からの発言はナンセンスですが……
”本物の仏像の定義とは何か”については非常に興味深いですね。
関連:「一方的に攻撃をしてくる人より厄介なのは…」続きに頭を抱えた
みんなの反応
●中々面白いな。明確な答えは無いだろうな。この聴講者は典型的な日本人というか、権威主義なんだろうなぁ
●これすごく面白い話ですなぁ。佐々木喜善の『老媼夜譚』に同じ話があったな
●謝れない人が多いX見てると、謝れるだけ偉いと思ってしまう
考えさせられるお話に、他のユーザーたちからも大きな反響が寄せられていました。