コロンビアの首都ボゴタと言えば、南アメリカ屈指の大都市。治安が良くないところというイメージが先行する人も多いかもしれません。そんな街で起きた、とても心の温まる出来事を紹介します。
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ある夜のことでした。路線バスの運転手はいつものように、家路に向かう乗客を乗せて運転していました。
■事故に遭ってしまった犬を発見
すると突然、道路前方の真ん中あたりに、動物のような影が目に入ります。運転手はすぐにバスを停め、自ら確認するため近寄っていきました。
そこに横たわっていたのは、別の車に轢かれてしまったらしい1匹の犬。ぐったりとして動くことはありませんが、まだ息があるようです。
「今ならまだ命が助かるかもしれない…!」
いてもたってもいられなくなった運転手は、すぐ救助活動に取り掛かりました。
畳んだダンボール箱をストレッチャー代わりにして、その上に犬を乗せ、慎重にバスの車内へと運びます。
■乗客たちの反応も温かい
何ごとかと見守っていた乗客たちは、運ばれてきたのが傷付いた犬だと分かり納得した様子。
そして、運転手は乗客たちに聞きました。
「このバスで動物病院へ運んであげたいんだけど…」
すると、なんと全員が賛成! バス車内の床に横たえられた犬は、心配してくれる乗客たちに見守られながら病院へと運ばれました。
■犬は奇跡的に一命を取り留める
その後、医師により適切な処置が施され、路上で最期を迎えるかもしれなかった犬は、奇跡的に一命を取り留めたのです。今では時折元気な様子を見せ、回復に向かっているそうです。
夜ということで、家路に急ぎたい人もいたでしょう。仕事を終えて疲労が溜まっている人もいたでしょう。それでも、運転手の判断に文句をいう人は、誰ひとりとしていませんでした。自分たちのことより、犬の命を助けることを優先させたのです。
優しく行動力のある運転手と、思いやりのある乗客に恵まれた、幸運な犬。みんなの想いが伝わり、命が助かって本当に良かった。