途方に暮れてパニックを起こしている様子の象の群れ。その原因は、泥でいっぱいの深い水溜りに足を取られ、もがき苦しむ小象でした。
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早く助けなければ小象が溺れて死んでしまう…。しかし、助けようにも、象たち自身も抜け出せなくなる可能性があったため、手が出せずにいたのです。
そのとき幸運にも、ケニヤで野生動物の保護活動を目的とした活動をしている”David Sheldrick Wildlife Trust”の象の世話係さんが事態を聞きつけ、現場に向かいました。
現場に到着した世話係さん。そこには溺れている小象と、あらたな脅威である人間の姿を見て、今にも襲ってきそうな象たちの姿が。
自分が近づいていくことで、小象を守ろうと必死になっている象たちに襲われてもおかしくない-そんな危険な状況にも関わらず、世話係さんは、他の象たちを刺激しないよう慎重に、激しくもがいている小象に近づきました。
そして、小象にロープを巻きつけると、ゆっくりと地上まで引っ張りました。
地上近くまできて、なんとか自力で陸に上がることができた小象。
陸に上がると、すぐさま群れの方に走っていきました。
小象が無事に戻ってくると、群れの象たちは小象を守るように、ぐるりとその周囲を囲んだそうです。
(参照 thedodo.com)
何が何でも小象を守りたかった象たち。そこに駆けつけた人間を信頼してくれたことは、小象にとっても人間にとってもプラスに働きました。
群れの1匹を助けるために、人間をも信用してくれた象たち。その仲間に対する真っ直ぐで献身的な愛情は、身近な人たちとの関係が日々薄れていく現代社会の中で、私たちが思い出さなければならないものかもしれません。