オーストラリア・ヴィクトリア州に住むサマラ・ミューアちゃん。笑顔がキュートな3歳のアボリジニの女の子です。
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先月サマラちゃんは、母親のレイチェルさんと一緒にディズニーイベントの会場へ出かけました。大好きな『アナと雪の女王』のイベントに合わせて、憧れだったエルサの衣装でおめかししています。
会場に着くと、雪が敷き詰められたブースに入るため、2時間ほど並んで待たなければなりませんでした。
その時でした。近くにいた女性がサマラちゃんに向かって、
「なんでドレス着てるの?アナもエルサも黒人じゃないわよ。」と差別に満ち溢れた言葉を言い放ったのです。
さらにその女性が連れていた2人の娘まで、「黒人だ!黒人は醜い。エルサにはなれない」と罵ったのです。
うきうきと心躍らせていたサマラちゃんの顔は、一瞬にして曇りました。まだ3歳の幼い女の子。突然浴びせられた言葉の意味がすぐには理解できなくても、その純粋な心はひどく傷つきました。理不尽に虐げられることへの疑問が生まれたのではないでしょうか。
「どうして黒人だとエルサにはなれないの? 黒人は醜いの?」彼女は自分の顔を両手で覆い隠し、泣き叫びました。
後日、母親のレイチェルさんは、その出来事をFacebookに投稿しました。「娘がこんな目にあったこと知って欲しい。残念だけど、まだまだ差別は存在する。」親心で投稿したその出来事は、多くの人にシェアされ広まっていきました。
すると、それを見た豪紙「The Courier(クーリエ)」が、その出来事を取り上げたのです。
One of the happier front pages in a long time: http://t.co/PTdSxYPFaD #Ballarat @FairfaxRegional pic.twitter.com/6ezpjoU0Ws
— The Courier (@ballaratcourier) 2015, 6月 17
「The Courier」に取り上げられると、地元のアーティストや一般の人から、多くの励ましの手紙が寄せられました。さらには、インドやメキシコ、イギリスなど、世界中からもメッセージが集まり、その数は200以上にものぼったそうです。
Facebookにも続々とメッセージが届き、レイチェルさんは朝まで返事を書き続けたのだとか。サマラちゃんからも、たくさんの温かい励ましに「ありがとう」の言葉を送っています。
そして、TV番組でも放送され注目を浴びるようになったサマラちゃんは、Facebook上で行われたコンテストにおいて、なんと「クィーン・エルサ・オブ・オーストラリア」の栄冠を手にしたそうです!
▼サマラちゃんが登場したニュース番組(英語)
あってはならない差別や偏見。「知ってもらおう」と発信したレイチェルさんの投稿は、「変えていきたい」という前向きなアクションでもありました。
1人でも辛い思いをする人が減っていくように、私たちも理解に留まらず、小さな1歩でも行動を起こす努力をしたいものです。