とある住宅の裏庭で発見された、1匹の子猫。
まだ生後3週間の彼女の体は、細かなゴミやホコリで汚れきっており…
加えて重度の感染症にも侵されていました。
病気との闘い
ケアを引き継いだアニマルシェルターは、どうにかして治療や洗浄を試みるのですが…
子猫は、そんな救いの手を嫌がって拒み続けます。
そこで、米ラスベガスに拠点を置く保護団体に連絡を取り…
経験豊富な里親へ彼女を託すことが決まりました。
子猫を預かることになったエレンさんは、当時のことについて、以下のように振り返ります。
スタッフの方から受け取ったメモには、「これほどひどい白癬(水虫・たむしを引き起こす菌)の症状は見たことがない」と。
彼女の大きな目にじっと見つめられて、ひどく心を揺さぶられたんです。
いったい今まで、どんなに辛い思いをしてきたのか、考えずにはいられませんでしたね。
エレンさん宅に引き取られた子猫は、たった1日で新しい環境に順応しました。
安全な場所に連れてきてもらったことを、本能的に理解したのかもしれません。
名前は「カイ」に決定。
初めのうちはなかなか食欲を見せなかったため、注射器を使ってご飯を食べさせてあげたそうです。
皮下注射、シャンプー、薬の服用など、あらゆる治療を施すエレンさん。
白癬は人間にも感染する恐れがあるため、その煩雑さは、並みのことではありません。
それでも、根気強く看病を続けるうちに…
カイの状態は、少しずつではあるものの良くなっていきます。
病気が快方へ向かうにつれて、その毛並みも、他の子猫たちと遜色ないほどに美しく生えそろいました。
アニマルシェルターに連れてこられた頃の面影は、もうどこにもありません。
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生まれ変わった
里親のエレンさんと過ごすうちに、人間の愛情を理解し、飼い猫暮らしの素晴らしさに魅了されていったカイは…
やがて、「生涯の家」へと引き取られていきました。
新天地では「フリッカ」という名前で呼ばれながら、優しい家族の方々や動物の友達とともに、素敵な日々を送っているようです。
優しさによって紡がれた、小さな命。
これからも、飼い猫としての幸せな生活を思う存分に満喫していって欲しいですね。