2018年、とあるTwitterユーザーが「救急車の利用」を巡って以下のような発言を投稿し、大きな反響を呼びました。
同アカウントはすでに無くなっていますが、産婦人科医であるという投稿主の主張をまとめると…
●そんなことも調べず、「車がない」「パートナーが仕事なので」「タクシーは断られる」といった言い分はありえない
●病院まで何時間もかかるような場所に住んでいる人は、近くのホテルやレオパレスに泊まってほしい
主に上記の3つです。
非難殺到
無論、これを聞いた多くのユーザーからは怒りのコメントが殺到。
あなたの話でとても不安になった初妊婦です。その場合は救急車利用可能か?と消防庁に問い合せたところ「当たり前です。母子の命に関わることですから遠慮なくご連絡ください。」と一途両断されましたけど…
— 寒締め緑茶 (@maourashii) 2018年5月28日
タクシー会社近隣全て当たりましたが、何かあった場合、責任とれないとすべての会社に断られました。
政令指定都市ですが、陣痛タクシーなぞありません。— yunalain@ちょっと持ち直し中 (@yunalain02) 2018年5月28日
出産に関わらず、迷わず救急車呼んでたら、助かったのにな…ってこと、よくあるのに。
本人にとっては、死ぬほどの痛みだったとしても、このお医者さんに当たったら、こんな胆石くらいで救急車呼びやがって!普段から健康診断しとけ!食生活気をつけろ!とか言っちゃうんですかね。— まい (@rx_7fd1010) 2018年5月29日
だれもが緊急時に備えて万全の準備を整えているはずですが、特に初産の場合にはいわずもがな、それでもカバーしきれない事態や精神状態となることだって十分に考えられます。
「緊急性のない妊婦の救急車利用は不正利用」と医療従事者が言うことの問題点は
・救急車を呼ぶほど緊急性があるかの判断は、素人の妊婦には出来ない。
・ツイートを読んだ善良な人は、緊急性があっても救急車を呼ばなくなる。
・不正利用する人は、いくら注意喚起しようが不正利用する。
だと思う。— Nikov (@NyoVh7fiap) 2018年5月28日
だからこそ、母親たちにとって最大の味方であるべき職種の人が、あのように攻撃的な呟きを投稿するなんて信じられません。
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『最悪』を避けるために
そんな中で…
男性の戌一(いぬいち) (@inu1dog1)さんが投稿した、ご自身の痛々しい体験談に注目が集まっています。
「妊婦は救急車呼ぶな」というツイートが炎上しているけど、深夜金玉が痛くなって救急車を呼び、生年月日を確認された時その日が誕生日である事に気付き、担架の上で救急隊員に「おめでとうございます!」と祝われ、精密検査を行っても結局何の異常もなく、ただ誕生日に恥を晒しただけの私が通ります。
— 戌一(いぬいち) (@inu1dog1) 2018年5月29日
検査中、徐々に引いて行く痛みに逆に焦った事を思い出す。
同年代の男性技師にキンタマにジェルを塗られ「ここですか?」と訊かれ「いたたた!痛いです!」などと、ちょっと大袈裟に答えていたあの茶番劇を、私は一生忘れないであろう。— 戌一(いぬいち) (@inu1dog1) 2018年5月29日
悲しすぎる…!!( ;∀;)
救急隊員やってます。傷病者の方が誕生日だったとき、おめでとうの気持ちはあるのですが本人が苦しそうな場合が多いので控えています。レアなケースですねw
— けいすけ@2階席 (@Keisim07Trinita) 2018年5月30日
私が自力で(キンタマをかばいながらですが)歩いていたし、受け答えもまともにできていたからかもしれません。救急隊員の方が誤解を受けないよう、リツイートさせて頂きますね。
— 戌一(いぬいち) (@inu1dog1) 2018年5月30日
ちなみに私の睾丸痛の原因は検査では特定できず、坐骨神経の圧迫から来るものだったのかも?という推測に至り、マッサージや作業環境の改善で快方に向かいました。
以上参考になれば。
リプライ追い切れなくなっていて申し訳ありません。— 戌一(いぬいち) (@inu1dog1) 2018年5月31日
思わず吹き出してしまうような話ですが…
それも、「結果として何もなかった」からこそです。
一連のツイートで伝えたかった事は、遠慮して色々と取り返しがつかなくなるぐらいなら、思い切って救急車を呼んだ方がいいんじゃないかという事。
あと精巣捻転症の処置は数時間以内が勝負です。遅れると壊死してしまいます。— 戌一(いぬいち) (@inu1dog1) 2018年5月31日
どのような状況であろうと、自分や誰かの身が危ないと感じた場合には、ためらわずに助けを求められる。
健全な社会を構築する上で最優先されるべきこの大原則を、もしも「ルール」や「マナー」が阻害しているのであれば、我々の手で変えていかなければなりませんね。