野良猫のアシュビーは、5匹の兄弟たちとともに、鉄道公社の整備工場で発見されました。
まだ赤ちゃん猫の彼らには、昼夜問わずのお世話が必要です。
そこで心優しいウェンディさんが里親として全員を引き取り、面倒を見てくれることになりました。
難病との闘い
これで一安心、となるはずでしたが…
数日と経たないうちに、異変が起こり始めます。
食欲がみるみると減衰していって、中には食べることを止めてしまう子もいたそう。
理由は全く分かりませんでした。
ただ、なんとなく「ただの好き嫌いではないな」と直感したんです。
調べてみると…
赤ちゃん猫たちは、『猫汎白血球減少症』と呼ばれるウイルス性の感染症にかかっていました。
食欲がないのも、食べたものもすぐに排出してしまうのも、この病気が原因だったようです。
この感染症にかかって生き残る確率は、とても低かったんです。
私は、彼らの命を救うチャンスがあるのなら、どんなことでもしよう、と決意しました。
ウェンディさんは、寝る間も惜しんで子猫たちの看護を続けましたが…
アシュビーを除く5匹は、残念ながら息を引き取ってしまいました。
「遅かれ早かれ、この子もまた、いなくなってしまうかもしれない…」
そんな不安をいだきながら、ウェンディさんは以前にもまして愛情深くアシュビーに接します。
アシュビーもまた、里親のウェンディさんが部屋に入ってくると、ベッドから飛び出して駆け寄って、甘えて見せたんだとか。
毛布をくしゃくしゃにしては、羊みたいな声で鳴いて喜ぶんですよ。
ウェンディさんは、アシュビーの部屋に「5匹の兄弟たちが生きた証」を飾り付けて励ましました。
すると、そんな気持ちに応えるかのように…
生後6週間を迎える頃から、彼女はオモチャで遊び始めるほど元気な様子を見せ始めます。
体の大きさはまだ3-4週間の子猫と同程度しかありませんが、それでもアシュビーの体には、エネルギーがみなぎっていました。
少し小さいかもしれないけれど、他の子猫と変わらないくらいに、懸命に生きていますよ。
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奇跡の回復
やがて迎えた再検査の日。
告げられた結果は
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『彼女の体内に、ウイルスはもう残っていない』という嬉しい知らせでした!
やっとの思いで、健康を取り戻したアシュビー。
天国へと旅立ってしまった他の兄弟たちの分も、幸せな生活を送ってくれるようにと祈るばかりです。