アメリカ・ウィスコンシン州にある保護団体のもとへ、ある日運び込まれた妊娠中の猫。
すでに危険な状態にあった彼女は、苦しみながら8匹の子どもを産み落としましたが…
残念ながらその内の1匹とともに、まもなく天国へと旅立ってしまいました。
残された7匹の子猫たちは、小さな身体で懸命に闘います。
特に先天的な神経疾患を抱えていたクレイマーは、彼より健康な他のどの猫より、「生き抜いてやる」という意志をたぎらせているように見えました。
後日、彼らが暮らす里親の家を訪れたマッケンジーさんも、その健気な姿に思わず目を奪われた1人。
兄弟や姉妹たちと遊ぼうとするたび、転んで、転がってを繰り返してた。
歩こうとしただけで、バランスを崩しかけてたし…。
しかし…何度倒れてもまったく諦めずに立ち上がる様子が、彼女の心を動かします。
私はいつの間にか涙を流してたの。
それはクレイマーに同情したからじゃない。
困難に負けない美しい魂を、彼が私に見せてくれたからだった。
何人もの獣医に診察してもらった結果、背中から尻尾にかけての神経に問題があるのみならず、知的発達面でも遅滞が見られることが判明。
そんな診断結果を聞いても、マッケンジーさんの「クレイマーを家族として迎え入れたい」という思いは変わりませんでした。
家にやってきてすぐ、クレイマーは先住犬のうちの1匹で、同じく保護犬だった過去を持つウィンストンと打ち解けます。
幼くして母を亡くしたクレイマーには、なんとしても親代わりの存在が必要。
そう考えていたマッケンジーさんは、早速ウィンストンを「ミスター・ママ」に任命しました(*´∀`*)
食後の顔のお手入れ、トイレ後の掃除など…
世話し世話され、仲睦まじく寄り添い合う彼らは、まさしく本当の親子のようです。
数ヵ月がたった後、ウィンストンの看護のおかげで、クレイマーの歩様も随分と良くなりました。
自分を命がけで産んでくれたママ。自分に新たな生活をくれたママ。そして、自分を絶えず見守ってくれる「ミスター・ママ」。
溢れんばかりの愛情を体いっぱいに浴びて、彼はこれからも健やかに育っていくことでしょう。