ある日のこと。
車を運転していたヘイリーさんは、道ばたに1匹の傷ついたアライグマを発見します。
7月の猛暑日だったため、このままでは衰弱してしまう…。
近くに野生動物の保護センターもなかったため、ひとまず自宅に連れ帰り、面倒をみることにしました。
家族みんなで看病した甲斐もあり、ウィンストンと名付けられたアライグマは、みるみる元気を取り戻していきます。
ただ、喜べることばかりではありません。
野生として暮らしていたウィンストンは、回復するにつれ、どんどんとヤンチャな一面を見せるように。
ヘイリーさんはヘトヘトになりながら、彼を自然にかえすための計画を本気でねらなければならないと考えていました。
そして…
ウィンストンが飼い猫のジジとコミュニケーションを試み始めたのは、ちょうどその頃だったそう。
ジジはとても気むずかし屋で、いつも他の猫とケンカばかりしています。
自分の庭の小径に他の猫が現われようものなら、すぐに突っかかっていくため、誰ともまったく仲良くすることができませんでした。
無論、アライグマだろうと例外ではありません。
困惑しきっていたジジは、歩みよってくるウィンストンの頭に、いきなり猫パンチをお見舞いしたといいます( ;∀;)
しかし、そんな手荒い洗礼にも全く動じない姿を見て
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他の猫たちには決して心を開かなかったジジが、彼を受け入れたのです!
それからというもの、ふたりは大親友になりました。
ジジのおかげで、ウィンストンの外界に対する興味はどんどん膨らんでいきます。
ヘイリーさんがついていなくても、2匹で仲良く寄り添って花壇でお昼寝したり、レスリングしたり、探検してみたり…。
運命の出会いを果たして以来、友情を育み続けた彼ら。
けれども、幸せな日々に、やがて終わりが訪れます。
初めての友だちができてから数年後…
高齢だったジジは、天国へと旅立っていってしまいました。
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ヘイリーさんたち以上に何ヵ月も深い悲しみに沈んでいたウィンストン。
しかし…立派な大人のアライグマに成長していた彼は、これを機に一念発起したのか、住み慣れた家を離れ、少しずつ森の暮らしへと戻りはじめました。
今では月に一度ほどだけ庭に姿を見せ、新しく飼い始めた猫たちとじゃれ合っているんだとか。
住む世界が変わって、互いに会えなくなっても…
ジジと築いた素敵な思い出は、ウィンストンの心から、永遠に消えることはないでしょう。