プロカメラマンのvisual-material (@vm_nishijima)さんが投稿した、「若者の写真に対する認識」を巡る呟きに、注目が集まっています。
(写真とアプリ 1/3)
特に若い女性の間で写真アプリ依存というか、現実との乖離が進行してるように思う。以前、どんな風に撮れているのか見せて欲しいと言われたので、デジカメ背面モニターで見せたところ、「違う!これは私の顔じゃない!写真撮るの下手ですね」と不機嫌さを露わにされた。— visual-material (@vm_nishijima) 2017年4月6日
(写真とアプリ 2/3)
彼女は自分のスマホを取り出し、「これ。これが私の本当の顔なの。どうしてこういう風に可愛く撮れないの?」と見せてきたのは、アプリ(BeautyPlus)で修正されまくった画像だった…。
私は返答の言葉に詰まり、どうしたものかと思案を巡らせた。— visual-material (@vm_nishijima) 2017年4月6日
(写真とアプリ 3/3)
原型を留めないほどの肌修正と輪郭補正、ドギついほどの彩度と強コントラスト、写真というより限りなく絵画に近い表現がもはや「普通」になりつつある時代。ある種の危機感を覚えるが、変化を受け入れつつも新しい映像表現を開拓しなければならない地点に来たように感じる。— visual-material (@vm_nishijima) 2017年4月6日
スマホアプリに慣れきった世代にとって、もはや「補正」は常識と化している。
このツイートに、漫画家の三条友美 (@tomomisanjo)さんも反応しました。
風景写真もそうだ。一度は行ってみたい、この世のものとは思えぬ超絶美しい風景の場所みたいな特集があるが、尽くハイコン・HDR処理等々加工がされていて、マジでこの世の風景じゃなくなっていた。人間も毛穴がなくなってプラスチック感たっぷり。https://t.co/t5JQkxRv51
— 三条友美 (@tomomisanjo) 2017年4月8日
@tomomisanjo 他の写真家の作品にケチを付けるつもりは毛頭ありませんが、私も加工しすぎて原型を留めない絵画写真が大絶賛されているのを見て驚いています。これも時流の変化だと認識して、受け入れるべき部分は受け入れ、でも守るべき部分はしっかり守っていきたいものですね。
— visual-material (@vm_nishijima) 2017年4月8日
「真(まこと)を写す」と描いて写真。その考え方も、ある点では時代遅れとされているのかもしれません。
なんとも驚かされるエピソードです…。
- Twitterの反応
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アプリ顔が本当の自分の顔だと思っている方本当に多くて、写真の仕事してると大変なのです https://t.co/cl02oLHxsi
— Akinna akineko (@AkinaUndercat) 2017年4月7日
写真家のシュウ先生が娘に「パパ、写真下手!」って言われた事件を思い出したwhttps://t.co/RbDbgMr4VP
— 菊川涼音 (@kikukawaSuzune) 2017年4月9日
「写真というより限りなく絵画に近い表現」って、上手い表し方だなぁ。 https://t.co/HSijh3y9CR
— あずま しょうゆディスタ (@as_much_azuma) 2017年4月7日
そもそもレンズやフィルムのようなハードウェア進化がそういう方向で、物理的な制約が無くなって歯止めがなくなっただけな気が。モノクロ写真をニューラルネットで色づけするとトイカメラみたいになるし https://t.co/hPDPnLGtSF
— 萩原崇之 (@takayuki_h) 2017年4月6日
写真の発明以前は肖像画家の時代だったが、貴族の肖像画を描く際に「手心」を加えない画家は嫌われた、という話を思い出す。あるいは、19~20世紀という時代は「現実をその通りにしか写せない不便なテクノロジーに縛られた過渡的な時代」として記憶されることになるのかもしれぬ https://t.co/qUOMAqn84C
— ultraviolet (@raurublock) 2017年4月7日