20年前に野良猫だったトムと出会って以来、ずっと一緒に連れ添ってきたスー・マッケンジーさんとトム。
[ada]
家族同然のスーさんに、トムはすっかり心を許していました。でも、甘えん坊な性格ではなかったため、あまりベタベタと触れ合うことはありませんでした。
そんなトムが、ある日を境に、スーさんのことを前足でぎゅっぎゅっと押してくるようになったのです。
「何だかおかしいなぁ…」と気になり始めたスーさん。トムが押してくるのは決まって首の後ろなのです。
ミャーミャーと強く鳴きながら同じ場所を押される日々。トムのあまりにしつこい行動が嫌になってきたスーさんは、そんなに言うならと、一度病院へ行って、その場所を見てもらうことにしました。
「思い当たる病気ひとつないのだけど、まぁ念のため…」そう思っていたスーさんでしたが、医師から聞かされたのは驚くべき事実でした。
なんと、トムがしきりに押していた首の後ろに、悪性の腫瘍が見つかったのです。スーさんはホジキンリンパ腫という病気でした。ガンの一種であるこの病気は、自覚症状が出るのが遅く、健康診断でも気付かれにくいのだとか。
これまでのトムの行動は、一刻も早く病気の存在を知らせたいという想いから出たものでした。
それから6回もの化学療法を終え、ついにガンに打ち勝ったスーさん。トムのお手柄です。
猫には何か特別な潜在能力があるのでしょうか。
これまでに飼い主のガンを知らせたのは、トムだけではありません。2012年には、ウェンディー・ハンフリーさんの飼い猫ファッジが、ほんの豆粒台くらいの悪性腫瘍を見つけ、それを知らせるという出来事がありました。
それらは、飼い主さんとの深い絆と信頼関係があってこそ、発揮される能力なのかもしれませんね。
ちなみにトムは、元の無愛想な猫に戻ったそうです(笑)