学校のPTA活動と言えば、子どもに兄弟がいようが、仕事を持っていようが、容赦なく保護者全員に振りかかる奉仕活動です。
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朝晩食事の準備をして、仕事に行って、子どもたちの宿題を見てと、それでなくても時間に追われているのに、そのうえ学校のPTA活動…。
米テキサス州に住むハインツさんも、学校のPTA活動は、時間ばかり食うやっかいな奉仕活動だと感じている1人でした。
ところがある日、地元公立校に通う娘さんが学校から持って帰ってきたプリントの内容は、ハインツさんを驚かせるものでした。その、斬新かつストレートな文面に、心から共感したのです。
頑張りすぎないPTA
I love that our school PTA has a great sense of humor. This form came home with our 7th grader yesterday.
Posted by Dee Wise Heinz on 2015年8月25日
その文面に提示してあったのは、「PTA活動に奉仕できない場合に支払うべき金額」。保護者は、奉仕活動に協力するか、提示された金額を支払うか、どちらか一方を選ぶことができるとのことでした。
その内容はとても分かりやすく具体的。例えば「私はカップケーキを焼きたくない」と思う人は15ドル、「歩いたり、泳いだり、走ったりも、一切やりたくない」という人は50ドル、といった具合です。
他にも、ユーモアを織り交ぜながら項目は続きます。
●友人や親戚に寄付をお願いしたくありません。手土産は必要なくなるので、その包装紙代としての25ドルを使って下さい。
●社交ダンスパーティには参加したくありません。なので、パーティ用の新しいドレスの費用75ドルをどうぞ。
●私は本当に、一切何もしたくありません。私の名前を忘れてもらうために100ドルを支払います。
実はアメリカのPTA活動は日本よりも大変で、近所の家々を回って物を売ったり募金をお願いしたり、バザーなどのイベントや授業のサポートなど、その活動は多岐に渡ります。
しかし、PTA活動が保護者にとって負担であるかは、その人の考え方や家庭環境にもあります。そうしたところを十分汲み取って、既定のお金を支払うという代替案も提示してくれているのです。
世界中の保護者が称賛
この提案を大いに気に入ったハインツさんは、文面をフェイスブックに公開。
すると、世界中の保護者たちから多くのメッセージと共感をあつめ、235,000回以上もシェアされました。そして、コメント欄には「素晴らしい」「最高だ」「これ大好き」といった称賛の声が並んでいます。
もっとも、経済的にも余裕の無い家庭や、こうしてお金で解決することへの教育的配慮など、問題点が残っているのも事実です。
しかし、日本でも、PTAがきっかけとなって人間関係がギクシャクしたり、余計なストレスを抱えることになったという話はよく聞きます。さらには親同士のイジメに発展するケースもありました。
そんなとき、もしこんな選択肢が用意されていたら…。時代に合わせてPTA活動も進化していってくれることを願います。