野良犬を保護する人々を見て感心こそするものの、自分とは関係のない世界の話だと思っていた女性。しかし、あることをきっかけにその世界にのめり込んだ彼女は、4年間でとても大きなことを成し遂げました。
[ada]
■きっかけ
彼女、サラ・クロスさんが、この道へ足を踏み込んだ動機はいたって単純です。ある日、かわいそうな捨て犬を拾って帰ったのがきっかけでした。当時ワンルームマンションに住んでいたクロスさんは、自分の部屋でその捨て犬を飼うことに。
もとは野良犬だったといっても、一緒に住んでみれば、他の犬と何ら変わりなく愛着が沸いて、大切な存在になります。しかし野良犬の多くは誰からも見放され、保健所に連れて行かれ、やがて殺されてしまう運命…。
1匹の野良犬を救ったクロスさんにとって、その事実はもう他人事とは思えない恐ろしいことでした。
それからというもの、安心できる場所や誰かの愛情を必要としている犬を見たら、手を差し伸べずにはいられなくなってしまったのです。そして、きっと自分以外の多くの人も同じ感情を持っているはずだと考えていました。
■本気になった女性
やがてNPOを立ち上げ、本格的に活動を始めたクロスさん。その実績は顕著なもので、4年間でなんと1400頭もの犬を殺処分から救いました。
孤独な一生を過ごすはずだった犬が、自分が持つ力で幸せを掴んでいく。この様子を見ていると、どんなことより勇気づけられるのです。私は別に、地球丸ごとを救っているほどたいそうなことはしていません。ただ少なくとも、犬たちの住む世界は着実に変えていけていると思っています。
こう語るクロスさんの言葉には、頼もしさと明るい未来が感じ取れました。
クロスさんは、「犬を救うこと自体が自分にパワーをくれる」と言い切ります。犬を救うと共に自分も救われる、その感覚こそが、クロスさんにとっての大きな原動力となっているのでしょう。
天職とも言える勢いで突き進むクロスさん。そのパワーに感心するだけではなく、例え小さなことでも、自分のできることをやっていきたいと感じました。