アメリカ・ノースカロライナ州ウェインズビルにある動物保護施設に、とある女性が「親猫とはぐれてしまった生後数日の子猫」を連れてやってきました。
しかし、その子猫はよく見ると、普通のイエネコではなく…
なんとオオヤマネコ属の中型獣、「ボブキャット」の赤ちゃんだったのです!
保護した女性によると、ボブキャットの親子は数日前から家の近くに出没していたらしく…
嵐の晩を境に親と思われる個体はいなくなり、この子だけが取り残されていたとのこと。
以来、親のボブキャットは一向に現れなかったため、このままでは死んでしまうと、施設に駆け込んだといいます。
「ママ」を探して
とはいえ、施設のスタッフたちは頭を抱えました。
「ボブ」と名付けられた赤ちゃんが生き抜くためには、母親のミルクやケアが不可欠だったからです。
一体どうしたものかと策を講じていると…
同時期に、子猫を産んだばかりの母猫が施設で保護されたとの情報が入ります。
「もしかしたら、彼女ならボブの命を救えるかもしれない」
一筋の希望にかけ、実際に2匹を引き合わせたところ
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奇跡が起きました!
15分もしないうちに、母猫はボブに自分の子と全く同じようにお乳を与え、面倒を見始めたのです!
こうして母猫・ピーのおかげでなんとかボブは一命をとりとめ、順調に成長していきました。
当時のボブは、ピーのことを本当の母親のように慕っており…
ピー自身が産んだどの子猫たちよりも、乳離れに時間を要したのだとか。
ピーもそんなボブが特別に可愛くてしょうがないといった様子で、いつも寄り添い、見守り続けました。
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巣立ちの果てに
しかし、そんな2匹にも別れのときが訪れます。
種族の違うボブは、野生動物専門の施設に移らなければなりません。
ピー母さんの元に、別れの挨拶をしにきたボブ。
なんとも切ない瞬間です。
Haywood County shelter rescues young bobcat
While still totally adorable, this baby bobcat is not the kitten that shelter workers suspected when they rescued him at one-day-old — http://bit.ly/29vGB6W
WLOS ABC 13さんの投稿 2016年7月7日木曜日
「ぼく、行きたくないよ」とケージの後ろで座り込んでしまうボブに対して…
「ほら、お別れよ」と母親らしく、新しい世界への出発を促そうとするピー。
しかしよく見ると、そんなピーも、とても寂しそうな表情をしていました。
血の繋がりはなくとも、ボブはピーにとって大切な「子ども」。
そして、ボブにとっても生きる力を与えてくれた「母親」は、他の誰でもないピーです。
たとえ離れて暮らすことになろうと…互いを愛した彼らの絆が途絶えることは、決してありません。