ベルギーの首都、ブリュッセル出身のゴードン・ドラクロワさん(30歳)は、愛犬のバーディと15年もの間、一緒に過ごしてきました。
バーディは、ゴードンさんが14歳の時に飼っていた犬のメグが産んだ子犬でした。
ゴードンさんにとって、多感な頃からずっと一緒に育ってきたバーディは、まさに一番の親友。大学進学のため実家を離れても、週末になるたび、バーディに会いたくて帰ってきたそうです。
そんなバーディも15才になり、人間で言えば80歳に近い高齢を迎えたころ…
彼はガンにおかされていると診断され、余命も長くはないとの宣告を受けてしまいました。
深い悲しみに暮れていたゴードンさん。そんなときワードロープを整理していると、自分が15年前にバーディと一緒に撮った写真を見つけました。
そしてもう1枚、5年前にもまったく同じ構図で写真を撮っていました。
15年前、15歳のゴードンさんと子犬のバーディ
5年前、25歳のゴードンさんと大きく成長したバーディ
どちらもおばあちゃんの家の前で撮影し、同じセーターを着て、バーディを腕に抱いています。
この2枚の写真を発見したゴードンさん。
これが最後のチャンスかもしれないと、再び、写真が撮られたおばあちゃんの家へバーディを連れて行きました。
そして、同じセーターを着て、高齢と病気のためすっかり弱ってしまったバーディの体を、あの頃と同じように抱っこし…
バーディと歩んできた証を残したのです。
「ずっと一緒にいるバーディの死について考えると本当につらかった。でも、思ったんだ。今までバーディは自分に喜びや希望をいっぱい与えてくれたって。一緒に冒険してきたんだって。そして、バーディと人生をともにできて、本当に良かったじゃないかって」
余命宣告をうけてから、ずっと暗い顔をしていたゴードンさん。しかしこの写真を撮影した時には、未来を受け止め、自然と笑顔がこぼれたそうです。
ゴードンさんとバーディ。やがて来る最期の日まで・・・
そして、その日が過ぎてからも、彼らはずっと親友同士です。