熊本県で大規模な地震が発生。最大震度7で、これは1949年以降「阪神大震災」「新潟県中越地震」「東日本大震災」に次いで4回目の大震災です。
各局のヘリコプターが映し出す倒壊した日本家屋の様子は、やたらに不安を煽ります。とくに、熊本城の瓦が崩れ落ちている様子に、衝撃を受けた方も多いのではないのでしょうか。
そんな中、Twitterユーザーのなさん(@sinzouniwarui)のツイートが話題になっています。
熊本城の瓦が崩れているが、
日本建築の本来の発想としては『地震時には瓦は振るい落とされ、建屋の倒壊を防ぐ』のが正しいと元建築事務所勤務の父が言っておりました。
現代では固定してしまうが。地震発生時の煙・埃はこれですね。#nhk pic.twitter.com/XBmsQeMprd
— な (@sinzouniwarui) 2016年4月14日
どうやら、瓦とは本来「落ちる」ように作られていて、落ちることでお城や家の倒壊を防いでいるとのことなのです。
これは一体どういうことなのでしょうか?
昔ながらの日本家屋では瓦は固定されていない
昔ながらの日本家屋の瓦は、固定しておくための葺き土の接着力だけで、屋根に”付いている”状態です。
葺き土や瓦は重いので、総体的に家屋全体が重くなります。
屋根に瓦を置いて重くし、強度を保つ
では、重くすることでどんなメリットがあるのでしょうか。
日本は地震が多発し、また台風も多い国です。日本に住む方であれば、細かい揺れや台風には日々警戒されいることでしょう。そこで、屋根を重くすることにより、小さな揺れや台風に飛ばされない工夫がなされているのです。
大きな揺れの場合には瓦が落ちて家を軽くする
小さな揺れや台風には対応できるものの、大きな揺れだと「重い」というのはやはりネックになっていまいます。
ですので、大きな揺れの際には固定していない瓦が滑り落ち、瞬間的に家を軽くして倒壊を防ぐ、という仕組みになっているのです。
まさに「先人の知恵」ですね。
現在(特に阪神大震災以降)では、「瓦が落ちてくるのは危険」という意識が高まり、瓦を固定した家屋が多いのですが、先人たちはこのようにして地震や台風から家を守ってきたのです。
Twitterでは…
@sinzouniwarui @910Hayashi なるほど!!瓦が落ちちゃった…と思ったけど、安心しました! pic.twitter.com/FsuAJwPKO4
— miniyumi (@miniminiyumiko) 2016年4月14日
@sinzouniwarui 固定されてないのはそんな理由だったのか・・・伊達に1500年地震と付き合ってきてないな
— オペラ3@とうきょうぐらし! (@Operaniyan) 2016年4月15日
@sinzouniwarui 私も以前その様に聞いたことあります。日本家屋は地震に対抗するのではなく、地震の力を受けて流して最小限の被害、又は後に修繕復興のしやすい様に作ってあるって。瓦もその一端かと。
— はいださん (@misapu63) 2016年4月15日
@sinzouniwarui @uedappoido 本丸へのダメージを肩代わりさせるための機構でもあるのですね
勉強になります— よっさんだよ (@yossankjb) 2016年4月15日
石灯籠とかもパーツを接着せず重ねてるだけなのは、倒壊したときの被害を最小限にするためだと知って感心したことがあります。屋根の瓦もそういう役割があったんですね… https://t.co/ktlymMfgeR
— おーしまアヤコ (@ayajanosm) 2016年4月15日
小学生の時に読んだ歴史マンガで、東大寺を引き合いに出して、同じような記述があった事を鮮明に覚えている。
先人は、地震時に落下した瓦の山が建物を支えると考えたらしい。https://t.co/E9IegBYXNB— 蒼々舎→下諏訪最小工務店 (@SososhaSuwa) 2016年4月15日
瓦には、このような知恵が詰まっていたんですね。
”日本の建築物”ならではの工夫に驚かされました!