郵便局に花束を抱えた男性が。局員に「次の方」と呼ばれると

「10年近く前に目撃した出来事を、ふと思い出す」

そんな書き出しから、佐藤梓 (@azusa_sato1)さんは以下のようなツイートを投稿しました。

10年近く前に目撃した出来事を、ふと思い出す。
都内の、とある郵便局を利用した際、前に大きな花束を抱えた男性が並んでおられた。（お花のプレゼントを送りたいのかな……箱に入れないと難しいのでは…それに生花って傷んでしまわないかな？）などと思いながら、そのかたの背中を眺めていた。

— 佐藤梓 (@azusa_sato1) November 16, 2022

列が進み、受付の女性が「次の方、どうぞ〜」と明るく呼ぶと、その男性は、
「あなた、今日最後の日だから、これ、あなたに。あなた、いつもとても頑張っていて、いつもとても素敵だったから。私、いつも見ていて、とても素敵だと思っていたから。ありがとう」というようなことを言い、

— 佐藤梓 (@azusa_sato1) November 16, 2022

花束を受付の女性に差し出した。
女性はびっくりしてポカンとした顔になり、「えーっ……」と声を震わせて花束を受け取った。
男性は列の後ろを振り向いて、「このかた、今日でこの仕事、さよならだそうです」と説明をして微笑み、拍手をした。
その場のお客さんたち（私も）は、

— 佐藤梓 (@azusa_sato1) November 16, 2022

わあ〜〜！と一緒に拍手をして、喜んだ。受付の女性は、「そうなんです、私、ここに勤めるのは今日が最終日でございまして…皆さまありがとうございました」と一礼された。
ご退職なのかご異動なのかはわからないが、この女性にはもう会えないのだなと思ったらとても寂しかった。実は私もこの郵便局を

— 佐藤梓 (@azusa_sato1) November 16, 2022

しばしば利用していて、この受付窓口の女性にお世話になっていた。とてもハキハキと元気で感じが良く、空いているときは軽い世間話（しかもさり気なく、こちらが元気になれるような明るい雰囲気の）をして下さることもあって、良い人だな〜と思っていたのだ。

— 佐藤梓 (@azusa_sato1) November 16, 2022

花束を贈呈した男性は外国のかたのようで、きっと故郷などへの国際郵便でいつも利用しておられたのではなかろうか。
異国の地で郵便局を利用する際は、最初はとても神経を使うし、手続の難しさに辟易もする。きっとこの受付窓口の女性は、懇切丁寧に、しかも明るく楽しく、お手伝いをされたのだろう。

— 佐藤梓 (@azusa_sato1) November 16, 2022

感情労働とされるサービス業に従事しておられる方は、きっとみんな、疲労困憊の日も寝不足の日も二日酔いの日も、雨の日も風の日も雪の日も、恋人に振られた日も大切な人をなくしたばかりの日も、笑顔で頑張っておられるのだろう。それがたとえ、「職業的」微笑だったとしても、その人が誠心誠意仕事に

— 佐藤梓 (@azusa_sato1) November 16, 2022

向き合っていることは、サービスを享受する側にきっと伝わる。
私が遭遇した郵便局の女性は、「感情労働」を超えて、もはや「献身」と呼べるほどの姿勢にさえ思えた。きっと彼女の人柄のなせるわざだったと思う。

サービスを受けられることを、「当たり前」に思うのではなく、同じ人間がこうして

— 佐藤梓 (@azusa_sato1) November 16, 2022

時間と労力と感情を動員して、自分の用事、要件に向き合ってくれるのだという基本的なことを、忘れないようにしたい。
機械化や電子化が見えにくくする「人間の労働」の本質を忘れないようにしたい。
対価を払えば何でもOK、という態度は人間を無機質なロボットにしてしまう。

— 佐藤梓 (@azusa_sato1) November 16, 2022

そのことを教えてもらった一件だった。
花束を抱えて、くしゃっと笑った彼女の笑顔が、今も記憶に残っている。

— 佐藤梓 (@azusa_sato1) November 16, 2022

泣ける…。

優しい世界

自分の頑張りを認めてくれる人の存在は、その女性局員にとって何よりの励みになったのではないでしょうか。

泣けました。いつでも笑顔で
接客は本当に心すり減る仕事
でも、ありがとうと一言あると報われる、自分が客の立場の時は必ず言うようにしている。自分が嬉しい言葉をかけるようにしている。 https://t.co/cJ8NT90dQf

— rara🦅🖍somrara千星化石🌙🐓 (@rara28891097) November 17, 2022

質の良いサービスを受けられるのは本当に有難いことなのだと、改めて気づかせてくれるお話ですね。

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