障がいを抱えながらも懸命に生きる子猫と、それを見守る優しい飼い主さんのお話です。
ハッキリとした白黒模様が印象的な、子猫のジーク。
頭の中の液体が正常に流れず骨の下に溜まってしまうことで、脳がどんどん圧迫されてしまう病気「水頭症」を患って生まれてきました。さらには、前足が短く後ろ足が長くなってしまう骨の病気も抱えているのです。
そんなジークを引き取りたいという人は現れるはずもなく、保護されていたシェルターで安楽死を迎える予定でした。
ところが、ジークが生後13ヶ月のとき、1人の女性、リサ・ジョーンズさんが里親を申し出てくれたのです。希望の欠片もなかったジークに、救いの手が差し伸べられた瞬間です。
アメリカ・テキサス州からニューヨークのラガーディア空港へ移動したジーク。そのときの体重は、まだほんの396グラムでした。生まれて1年以上経っているにも関わらず、手のひらにすっぽり収まってしまうほど小さかったのです。
こうして、ジークはリサさんとの生活をスタートしました。
深刻な障がいを持ちながらも、他の猫と同じように感情的になったり、器用にひじを使いながら歩いたりと、彼なりの成長を見せてくれるジーク。
「ジークは飛び跳ねたり、何かによじ登ろうとして失敗したり、トイレの砂を掘ったりするの。そんな行動がもう可愛過ぎて、とてもじゃないけど止めさせることができないわ。」と飼い主のリサさん。
穴の開いた洗濯カゴや網戸によじ登ろうとして、結局、力が足りずコテッと落ちてしまうことも。
好奇心旺盛でやんちゃなジークですが、名前を呼んだらちゃんと来てくれるなど、お利口な一面もあります。
さらに、ジークには、同じ悩みを共有する仲間までいるのです。
それは、同じく水頭症を患っている猫の「スーパーヒーロー」です。
ジークの兄貴分としてお世話をしてくれるスーパーヒーローは、ジークがふらっと部屋から出て行こうとすると、すぐさま前足でつついて、連れ戻そうとするのだとか。
飼い主さんだけでなく、一緒にがんばれる仲間までいて、ジークは本当に幸せですね!
猫たちの障がいを理解し、忍耐強く可愛がってあげるリサさん。
「一歩一歩ゆっくりと、一緒に前へ進んでいきたい」と語る彼女からは、頼もしさと深い愛情が溢れ出しています。